スマートフォンはレストランの敵?
大方の店にとっては恩恵
「レストランで客が携帯に時間を費やしているのは間違いない事実だ」と、同社の製品イノベーション責任者のメアリー・チャップマンは言う。「個人的に言えば、テーブルの回転には影響しないと思う。客が食事を写真に撮り、投稿し、それがおいしそうに見えれば、レストランにとってはいいことずくめだ」
スマホは少々迷惑なこともあるかもしれないが、大方のレストランにとっては、クレイグズリストの投稿が主張したような営業の妨げではなく、むしろ恩恵だと考えられている。
「昔だったらクレジットカードの支払いのとき、店員がカードをコピーし、カード情報を書き写さなければならなかった」と、マサチューセッツ州ケンブリッジに最近開店した「オールデン&ハーロウ」のオーナーシェフ、マイケル・スケルフォは言う。「今では店のスマホでカードを読み取ることもできる」
それでもクレイグズリストの投稿は、客にとっても従業員にとっても痛いところを突くものだった。スマホに時間をかけるほど、対人コミュニケーションに時間を割かなくなっているのでは──人々のそんな恐怖心に切り込んだのかもしれない。
実際には携帯のせいで接客が遅くなることはないにしても、インスタグラムやツイッターに没頭している客だらけのテーブルで食事をしたい人なんているだろうか。それは店ではなく、私たち自身の責任だ。それでも人はつい、店側に苦情を言いたくなってしまうのだが。
[2014年8月12日号掲載]