最新記事

トレンド

食品に増殖するマッチョ志向

男らしい商品を選ぶアメリカ人男性の好みに目を付けた、新しいパッケージ戦略

2014年1月10日(金)13時02分
クリスティン・ホヘナデル

種類も豊富 パワフル・ヨーグルトは健康志向の男性を狙った商品だ Courtesy Powerful Yogurt, B2M ProductionsーThe Image Bank/Getty Images (Inset)

 男性が食料の買い出しや料理をすることが当たり前になった現代、食品メーカーには新たな市場開拓のチャンスがある。男性は小さいサイズや女性っぽいものよりも、テストステロン(男性ホルモン)あふれるような商品を求めるという。そこに目を付けてマッチョなパッケージの食品を送り出している。

 最もマッチョな例といえば、恐らく「パワフル・ヨーグルト」だろう。やり過ぎ感もあるこの商品は、食品情報ウェブサイトのフードベブによる乳製品イノベーション賞で13年のベスト・ヨーグルトに選ばれた。受賞理由は、「野郎」向け丸出しのパッケージにある。

 パワフル・ヨーグルトの触れ込みは「男性と男性の健康ニーズに特化したアメリカ初のヨーグルト」。中身は最近はやりのギリシャ風ヨーグルトだが、同類の商品よりもとにかく「マッチョ」だ。

 パワフル・ヨーグルト社によれば、227グラムのビッグな「男性向けサイズ」で25グラムのプロテイン(タンパク質)が含まれ、脂肪分はゼロ。赤と黒の大胆なパッケージが目を引く。「インナー腹筋を取り戻せ」という商品のキャッチフレーズに合わせ、容器の側面にはマッチョな腹筋を想起させるでこぼこがある。

 同社のカルロス・ラミレスCEOは、「パッケージにはターゲット層のイメージを反映させたかった」と語る。「腹筋のようなでこぼこは、男性が商品を手にしたときに健康やフィットネス、生活の質を意識した健康的な選択をした、と感じてもらうためのものだ」

 こうした工夫が本当に男性の心をつかむのか、という疑問は湧く。それでもパワフル・ヨーグルトは来年にアイルランドやイギリスにも進出する予定だし、マッチョなデザインの流行は至る所で見られる。プロテインが豊富なフローズンヨーグルトの「プロヨー」は、男性を狙った白と黒のロゴ入りパッケージを採用。ベティ・クロッカー社も調理ソースシリーズの一部商品の箱を、黒を強調する男性向けのデザインにしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IMF、経済成長予測を大幅に下方修正へ 世界的な景

ビジネス

午前の日経平均は続伸、個別物色広がる 買い戻し中心

ワールド

トランプ氏、米政府職員の採用凍結延長へ 7月まで

ワールド

ウクライナ中銀、金利据え置き 25年成長率予想を3
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、アメリカ国内では批判が盛り上がらないのか?
  • 4
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 7
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    関税を擁護していたくせに...トランプの太鼓持ち・米…
  • 10
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中