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アップルiPad2が未来を連れてくる【後編】
劇的変更がないのは、アップルがiPadを未来型コンピューティングの先駆けと位置づけている証拠だ
使えるカバー 純正の折りたたみ式「スマートカバー」を使えば操作がさらに快適に Beck Diefenbach-Reuters
<前編はこちら>
もし初代iPadを持っているなら、新型に買い換える必要はないと思う。それほど大きな違いはないからだ。
iPad2はより薄く、軽くなったうえ高速化も実現した。アップルによれば、新たなプロセッサの処理速度は従来型の2倍だという。だが実際に使ってみたところ、そこまで劇的に速くはなっている感じはしなかった。従来型も反応はよかったし、それは新型も同じだ。
iPad2は2台のカメラも搭載。これで、iPadがライバルのタブレット型端末に劣っていた点が改善された。本体の前面に付いている低解像度カメラは、ビデオチャットで自分を映す時に使える。背面の高解像度カメラではビデオ撮影ができる。実際に背面のカメラを使ってみたが、画質はくっきりと鮮明だった。問題は、カメラとして使うにはiPad2が大きすぎる点だ。ビデオを撮りたいなら携帯電話を使うほうが楽だろう。
でも、ビデオの編集なら簡単にできる。アップルは映像編集アプリ「iMovie」の配信も発表したが、これが実に楽しくて使いやすい。映像編集は文字入力などと違って、タイピングをあまり必要としないからだろう。iPadを使っていていつも思うのは、文字や映像を見るのにはいいが制作するのには適していないということ。でも実際は、私のような素人が映像をカットしたりつなぎ合わせたりする作業は、キーボードとマウスを使うよりタッチスクリーンのほうがずっとラクにできる。
はまるソフトもアップルならでは
アップルは音楽制作アプリ「Garage Band」の配信も発表した。こちらもプロのミュージシャンではなく一般人向けのアプリ。画面上に出てくる様々な楽器を弾いたり叩いたりして、格好いい演奏ができる。
実際に試してみると、本当に面白い。練習なんかしなくても、誰もが美しい音楽を奏でられるのだから。初めて自分が出す音を聞いた時には、我ながらすごい! と自信満々に思うはずだ。
タブレット型端末での映像編集や音楽制作には興味がないという人もいるだろう。だがこうしたアプリは、アップルがタブレット型端末のハードウエアだけでなくソフトウエアにも力を注いでいる証拠だと知っていて損はない。そこが、ハードのみ重視しているライバルたちとの違いだ。
ジョブズによれば、アップストアで販売されているiPad用アプリは6万5000種類。一方、グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」を搭載したタブレット型端末向けのアプリは100に満たない。もしタブレット型端末の購入を考えているなら、これはかなり大きな違いだ。
© 2011 WashingtonPost.Newsweek Interactive Co. LLC (Distributed by The New York Times Syndicate)
─3月2日発売の本誌2011年3月9日号(カバー特集は「リビア暴君の最期」)に掲載の
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