最大産油国サウジアラビアが抱える爆弾
トラブルはイエメンからも舞い込むかもしれない。イエメンでもアリ・アブドラ・サレハ大統領に対する抗議運動が続いている。もしもイエメンからの避難民がサウジに流入して定住を決意したら、彼らは「サウジの人々と同等の政治的権利を求めるようになり、サウジ政府が不安定化する要因をつくる」可能性があると、プリディーは言う。
ワシントンの戦略国際問題研究所でエネルギー・国家安全保障問題を担当するフランク・ベラストロは、バーレーンから暴動が広がることが明らかになれば、サウジはバーレーンとつながる道を封鎖するだろう、と話す。
アブカイク石油施設やラスタヌラ港などの重要施設に近い東部地域での暴動は、(もしも発生すれば)2つの理由から原油価格を確実に高騰させるだろう。 1つは、サウジアラビアが世界の原油の予備容量を抱えていること(他の国の生産がストップした場合の「ピンチヒッター」として期待されている)。2つ目は、世界最大の産油国であり原油輸出国として、サウジの原油供給を脅かす長期的な事態はすべて、国際的な大問題になるからだ。
だからこそ、サウジアラビアの惨事はもはや机上の空論などではない。リビアの情勢によって、それがますます真実味を帯びてきた。
[米国東部時間2011年2月21日(火)15時03分更新]
Reprinted with permission from "The Oil and the Glory," 22/02/2011. © 2011 by The Washington Post Company