グーグルが「ビッグブラザー」になる日
金より個人情報が欲しい
『1984年』で全体主義の監視社会を描いた作家ジョージ・オーウェルなら、この状況をどう見るだろう。「ビッグブラザー」の正体が巨大政府ではなく、シリコンバレーに巣くうコンピューター技術者たちだと知ったら?
プライバシーを使って無料のサービスを利用するのでは、自分の情報の値段が正確には分からない。お金で払えば、これは5謖の価値だと分かる。では、あなたの友人リストの価値はどれくらいか?
あまり価値がないなら、あなたはフェースブックをとても安く使っていることになる。でも非常に貴重なリストだとすれば、実際は法外な料金を取られていることになるだろう。
あいにく、友人リストの市場価値を本当に知っているのはグーグルなどの業者だけ。相当な価値はあるだろう。そうでなければ、業者が現金よりもリストを欲しがるわけがない。
[2010年3月 3日号掲載]