オバマのゴールドマン制圧作戦
新規制案の前途は多難
もちろん、規制案の実施には困難が伴う。金融業界が強く反対するだろうし、マサチューセッツ州の上院補選で敗北したオバマ政権が法案の議会通過に強硬姿勢を取らないことを考えると、規制がすぐに成立するとは思えない。
だが規制が実施されたら、一部の銀行は廃業するか、特定部門の売却を余儀なくされるだろう。ゴールドマンとモルガンは投資銀行に戻り、市場から資金を調達するスタイルに戻るかもしれない。
政府がウォール街に仕掛けた「戦争」は今後も論議を巻き起こすだろう。黒人運動指導者マルコムXは有名な言葉を残している。「われわれは(イギリスから最初にやって来た清教徒ピルグリム・ファーザーズが上陸後に最初に踏んだとされる)プリマスロックに降り立ちはしなかった。プリマスロックのほうが頭の上に落ちてきたのだ」
われわれはウォール街をつぶそうとしているわけではない。自らの不始末と先見性の欠如のせいで、ウォール街のほうがわれわれの頭の上に落ちてきたのだ。
[2010年2月 3日号掲載]