危機後遺症で人が変わったアメリカ人
2010年2月10日(水)17時09分
リスクマネーさえ逃げ腰に
とはいえ起業はリスクを伴うし、軌道に乗せるのは並大抵のことではない。毎年、約50万〜60万社が誕生し、それとほぼ同数が息絶えている。ライタンによると新興企業の半数が5年と持たないという。
希望が持てない兆候もある。09年のベンチャーキャピタル企業による新規クライアントへの出資額は、統計が取られ始めた95年以来、最低の数字だった。
新興企業の心強い味方で「天使の出資者」とも呼ばれる起業家の家族や友人たちさえ、財布のひもを締めだしたという。彼ら自身、株価下落や家を失ったりと、苦しい状況にあるからだ。
オバマ政権に警告しておきたい。複雑な規制や課税は起業や雇用創出の意欲をそぐだけだろう。もっと大きな、アメリカ経済の行く末といった話になると、明確な答えは今後何年も見いだせそうにない。大不況のトラウマと高齢化でアメリカ人は慎重になったのか、ただ一時的に怯えているだけなのか。経済の回復力は残っているのか、それとも既に停滞社会と化してしまったのか──。
答えはまだ見えそうにない。
[2010年1月20日号掲載]
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