中国の失速を願うのはもうやめよう
不可解、だが認めるべき
さらに、中国は石油を輸入に依存していることを自覚し、驚くほど先を見越して行動している。現在、太陽光発電や風力発電および電池技術への投資はアメリカを上回っている。投資銀行ラザール・フレール社の調査によれば、時価総額で見たこの分野の上位10社のうち、中国企業が4社を占める(米企業は3社)。
「過去10年間、中国経済が前例のない急成長を続けるなか、欧米のほとんどのアナリストはいつバブルがはじけるかばかり議論していた」と、中国経済と米経済の融合を予測する『スーパーフュージョン』の著者で、政治経済アナリストのザカリー・カラベルは言う。「中国が危機をいち早く脱しつつある今、彼らは相変わらず中国経済がいつ失速するかばかり議論している。現実を見ているのに、どうもピンとこないかのようだ」
政府の介入と市場経済と専制政治と効率性が奇妙に混在する中国の状況は、確かに不可解だ。だが、そろそろ中国の失敗を願うのはやめて、成功の理由を理解し、現実を受け入れてもいい頃だろう。
[2009年10月28日号掲載]