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ロシア共産党:『アバター』を禁止せよ
超大作はロシアの盗作だと上映禁止を求める声が挙がっている
(作品賞、監督賞、美術賞など9部門でノミネート、美術賞など3部門で受賞)
敵か味方か 元海兵隊員ジェイクはアバターとなって森の奥に潜入する ©2009 Twentieth Century Fox
ジェームズ・キャメロン監督のメガヒットSF超大作『アバター』は、アメリカの海兵隊を悪者扱いしたとして米タカ派を激怒させている。また白人のアメリカ人が先住民族を帝国主義者の略奪から守る物語なんて、恥知らずにも程があるという批判もある。だがこれまでで最もユニークな批判は何といっても、ロシア共産党からのものだろう。
サンクトペテルブルクのロシア共産党は最近の声明で、このSF大作はバラク・オバマ米大統領のノーベル平和賞受賞を正当化しようとして失敗した、と主張した。失敗した理由は、作品に登場する海兵隊員が誰一人として正義に見えないからだという(彼らに言わせれば海兵隊は、イラクやユーゴスラビア、アフガニスタン、ハイチ、ソマリアでの殺人者で迫害者だ)。
『アバター』の製作が始まったのは4年前で、もちろんオバマは大統領にもなっていない。
「衛星パンドラの先住民解放運動の闘士が、米国防総省が作り出したミュータントの言い分を信じるなんて片腹痛い」と、同共産党は言う。
「注意深く隠されてはいるが、キャメロンの略奪的な本性はすぐ明らかになる。作品の中ではベネズエラはすでに侵攻されウゴ・チャベス大統領は殺された後。米兵は大挙して太陽系を侵略し、後には焼け野原しか残らない」
「登場人物は、悪者の共和党員(元海兵隊の大佐で入植地の指導者)と正義の民主党員(主人公の元海兵隊員ジェイク・サリーとシガニー・ウィーバー演じる植物学者)に一応分けられた上で、物語は常軌を逸した展開を迎える。正義の味方は、人類ではなく地球外文明のために戦うのだ」
共産党は声明の最後でこう要求する。「キャメロンがB級ヒット映画を作るためにソ連のSFから盗作していることを認めるまでは、彼のすべての作品の上映を禁じるべきだ」
サンクトペテルブルク共産党のウェブサイトKPLOは、衛星パンドラは60年代のソ連のSF小説からの剽窃だと主張している。
ロシア情報サイトのRTによれば、「サンクトペテルブルクとレニングラード地域の共産党は、国内外のあらゆる重要事件に対する奇抜な反応で知られており」、それが映画に及ぶのもこれが初めてではない。2年前には、彼らは「ソ連人民の敵」とねんごろになったウクライナの女優オルガ・キュリレンコを攻撃した。その敵とは、ジェームズ・ボンドだ。
──ジョシュア・キーティング
Reprinted with permission from FP Passport, 13/1/2010.© 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.