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パックンの風刺画コラム Superpower Satire (USA)
これじゃあ保守派とリベラルの歩み寄りなんて絶対ムリ!(パックン)
©2021 ROGERS─ANDREWS McMEEL SYNDICATION
<保守派との妥協を目指す民主党のマンチン議員と、民主党政権の妨害を最優先する共和党のマコネル議員>
米政界で最も力を持つ「ジョー」は誰だ? ジョー・バイデンではなく、ジョー・マンチン(Joe Manchin)だ! という、使われ過ぎて笑えなくなっているジョークがある。
日本ではあまり知られていないが、民主党の中で一番保守派寄りであるマンチン上院議員は、民主・共和両党が50議席ずつを分け合う上院の中で常に決定権を持つ立場にいる。じゃんけん大会もしていないのにセンターを取った感じだ。
マンチンは何よりもbipartisan(2大政党主義)だ。つまり、与党票だけでの法案採決ではなく、野党との妥協案を探り調和を目指すタイプ。風刺画はそれを1992年に警察官に暴行されたロドニー・キングの名言で表している:Can't we all just get along?(みんなで仲良くできない?)。文末にXXXOOO(キスとハグ)を付けて、まるで小学生の女の子が書くラブレターのようだ。ちなみに、自慢じゃないけど、僕は実際に父の日に12歳の娘から同じような手紙をもらった。
一方、共和党はどう出るのか。同党のマコネル上院院内総務は昔、オバマ政権時に「最も大事なのはオバマの再選阻止」であると、経済、環境、教育、安全保障などの政策よりも政局を優先すると宣言した人。有言実行でその後、法案の可決や条約の批准、判事の承認をも徹底的に阻止した。
作戦は「成功」して共和党が選挙に勝つようになったが、国民は負けた。彼のobstructionism(妨害主義)が生んだのは政治のマヒ状態、政権への怒り、国民の分裂、そして......トランプ大統領。
分断が深まっても、トランプが大統領選で落選しても、連邦議会議事堂への乱入事件が起きても、マコネルは態度を改めない。先月は「バイデン政権を止めるのに100%集中する」とまた宣戦布告した。歴史は繰り返すのか。
マンチンは対立を解消したいようだ。共和党が(党の弁護士も証言したように)自党に有利な選挙規制を進めるなか、マンチンは公平な選挙を保障する連邦法の法案を超党派で通せないなら反対すると発表。そして、野党に歩み寄った妥協案を自ら提供した。
が、マコネルはそれをもあっさりはじき返した。風刺画ではBurn in hell, liberals!(リベラルどもは地獄に落ちろ!)やDeath before compromise!(死んでも妥協しない!)と、残酷な拒絶のメッセージを発している。
ちなみに、自慢じゃないけど、僕は父の日に14歳の息子から同じような手紙をもらった。
ポイント
BIPARTISAN HUGS AVAILABLE!
「超党派ハグ」も受け付け中だよ!
FROM THE DESK OF SENATOR MITCH MCCONNELL
ミッチ・マコネル上院議員のデスクより
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