コラム

名門ケネディ家で場外乱闘? ケネディ家の大統領候補にJFKの孫が「ヤバイ動画」で攻撃開始

2024年06月04日(火)17時30分
ロバート・ケネディJr.

若年層と中南米系の支持を集めるロバート・ケネディJr. MICHAEL BROCHSTEINーSIPA USAーREUTERS

<ケネディ元大統領(JFK)のおいであるロバート・ケネディJrに、JFKの孫でキャロライン元米駐日大使の息子ジャック・シュロスバーグが猛反発。インスタで従叔父ロバートを「ロシアの手先」と呼ぶぶっ飛んだ動画を拡散中>

キャロライン・ケネディ元米駐日大使のいとこロバート・ケネディJr.は、米大統領選挙で最も重要な「変数」になるかもしれない。そしてキャロラインの息子で故ジョン・F・ケネディ大統領の唯一の男性の孫であるジャック・シュロスバーグは、米史上最も奇妙な選挙戦をさらに混乱させる可能性がある。

私が初めてお金をもらった仕事は、ケネディ大統領の最愛の妹ユーニス・ケネディ・シュライバーを車に乗せ、私の選挙区を案内することだった。訪問の目的は、住民たちに向け下院選での息子マーク・ケネディ・シュライバーへの投票依頼。彼女は大統領によく似ていた。

私より彼女をよく知る人々は当時よく言っていた。「もしあと40年遅く生まれていたら、大統領になっていただろうね」

もし一連の悲劇が起きなければ、ケネディ家の4人兄弟は全員、大統領になっていたかもしれない。だから同じケネディ姓でよく似た容姿の人物が大統領選に出馬すれば過去への郷愁を呼び起こし、知名度という重要な武器を瞬時に獲得できる。

バイデン現大統領がこれまで恒例だった超党派団体・大統領候補ディベート委員会主宰の討論会を回避した理由については、さまざまな臆測が飛び交った。だが私は、ケネディが討論会への参加資格を得る公算が大きいことが主な理由だと思う(マーケット大学の世論調査では15%の基準を超える17%を獲得)。大統領選で勝つためには、民主党で最も強力なケネディという姓を討論会の舞台から遠ざける必要がある。

私が記憶している最初の大統領選は1992年だが、あのときも独立系候補が選挙行方を左右したとされている。政治学者の間では、ビル・クリントンが勝てたのは一般投票で大富豪ロス・ペローが19%を獲得したおかげ、というのが定説だ。もしペローが出馬していなければ、現職のブッシュ(父)が勝っていたらしい。

現代の識者の多くが見落としているのは、ペローが一時的にせよ選挙戦をリードしていたという事実だ。ペローはケネディより金持ちだが、アメリカ政治でケネディほどの知名度と神秘性を持つ名前はない。ペローが19%なら、ケネディはもっと多くの票を獲得するポテンシャルがある。

支持率から不支持率を引いた「純支持率」は、バイデンがマイナス16%、トランプ前大統領はマイナス13%。この国は間違った方向に進んでいると考えるアメリカ人の割合は史上最悪の73%、トランプ大統領時代は史上3番目に悪い66%だった。双方に強烈な逆風が吹いている現状は、ケネディにとって前代未聞のチャンスと言える。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ブラジル大統領、歳出削減案を承認 財政枠組みの順守

ワールド

ハリケーン「ベリル」、中米ジャマイカ直撃 メキシコ

ワールド

サハリン2、石油生産も休止 保守作業で7月半ばまで

ワールド

スリランカ、125億ドルの債務再編に合意 債券保有
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVの実力
特集:中国EVの実力
2024年7月 9日号(7/ 2発売)

欧米の包囲網と販売減速に直面した「進撃の中華EV」のリアルな現在地

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 2
    黒海艦隊撃破の拠点になったズミイヌイ島(スネークアイランド)奪還の映像をウクライナが公開
  • 3
    キャサリン妃も着用したティアラをソフィー妃も...「ロータス・フラワー・ティアラ」の由緒正しい歴史とは?
  • 4
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 5
    ありなの? 飛行機の隣席に40kgの大型犬アメリカン…
  • 6
    北朝鮮を訪問したプーチン、金正恩の隣で「ものすご…
  • 7
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」.…
  • 8
    爆風で窓が吹き飛ぶ衝撃シーンを記録....「巨大な黒…
  • 9
    H3ロケット3号機打ち上げ成功、「だいち4号」にかか…
  • 10
    現在のビットコイン価格は「高すぎ」か、実は「割安…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 3
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地...2枚の衛星画像が示す「シャヘド136」発射拠点の被害規模
  • 4
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」.…
  • 5
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 6
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セク…
  • 7
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 8
    H3ロケット3号機打ち上げ成功、「だいち4号」にかか…
  • 9
    「大丈夫」...アン王女の容態について、夫ローレンス…
  • 10
    黒海艦隊撃破の拠点になったズミイヌイ島(スネーク…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に
  • 3
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 4
    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…
  • 5
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 6
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 7
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 8
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
  • 9
    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 10
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story