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トランプが今、地球上で最も憎む存在...「脳みそがあるトランプ」と呼ばれる男の大躍進
ロン・デサンティス JOE RAEDLE/GETTY IMAGES
<トランプとたもとを分かった共和党期待のフロリダ州知事が、次期大統領候補に至る道のりを阻む意外な過去>
フロリダ州のロン・デサンティス知事は今、米共和党の彗星のような存在だ。2024年大統領選に向けた共和党指名候補争いで大本命と見なされているのだ。
複数の世論調査や分析で、デサンティスが共和党指名候補になる可能性は45%とされており、2位のドナルド・トランプ前大統領(29%)を大きくリードしている。4年前にデサンティスが知事選に初出馬したとき、一番話題になったのは、見ているほうが恥ずかしくなるくらいトランプにごまをする選挙CMだっただけに、感慨深いほどの成長ぶりだ。
ぱっとしない下院議員だったデサンティスが州知事になれたのは、当時大統領だったトランプにぴったり(すぎるほど)寄り添った結果だが、今は完全に手を切るつもりらしい。
■【動画】恥ずかしいほどトランプへのごますりが露骨なデサンティスの選挙CM
トランプは今、地球上の誰よりもデサンティスを憎んでいるに違いない。大統領の座に返り咲くための第一歩を阻むのが、自分が引っ張り上げてやった男なのだから。しかもデサンティスはよく、「脳みそがあるトランプ」と呼ばれているから、ますますしゃくに障っているはずだ。
デサンティスは、栄光に向かって上昇軌道を描くシナリオのような人生を歩んできた。少年野球の世界大会に出場して、その様子がテレビで紹介されたのは12歳のこと。その時点で既に宝くじレベルの貴重なチャンスを物にしたと言っていい。成長してからはエールとハーバードという二大名門大学に進み、エール大学では野球部の主将を務めた。
ただ、ハーバード大学ロースクールに進む前に1年間、高校の教員を務めたことは、政治家として公表されている経歴には含まれていない。その後のキャリアのプラスになると思って「世の中にためになること」をしただけで、振り返ってみると地味すぎるから、華々しい経歴から削除したいと思ったのだろうか。
華麗な経歴に隠れたキズ
だが、その1年間は、デサンティスが大統領になれない理由を知るヒントになるかもしれない。
生徒たちにとって、デサンティスは魅力に乏しく、人好きのしない教師だった。当時、生徒の1人だった黒人女性は、人種を理由につらく当たられたと回想している。南北戦争は奴隷制をめぐるものではなかったと絶叫するデサンティスをからかった、生徒制作のビデオさえある。
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