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今年の米中間選挙はここが違う! 民主党が「多様化」したから共和党が「強い」
共和党に有利な構造的要因
民主・共和両党の支持基盤は、この20年ほどで微妙に変わった。その結果、中間選挙では共和党が有利になった。大統領選とセットなら話は別だが、それ以外の選挙では共和党に構造的な利点がある。
ジョージタウン大学でアメリカ政治の入門編の講義をするとき、私はよく学生たちにこう質問する。民主(または共和)党員と聞いたとき、真っ先に思い浮かぶのはどんな人間か? 一種の連想ゲームだが、これをやると最近の中間選挙で共和党が強い理由がよく分かる。
まず共和党員については、ほとんどの学生が白人男性を思い浮かべる。しかし民主党員については、わずか20人ほどのクラスで10通りほどの答えが返ってくる。黒人、中南米系から大学教員まで、実に多彩だ。
若い学生たちの回答だが、そこには過去30年間における両党の変質がくっきりと反映されている。
つまり民主党は一段と多様化を進めたが、共和党は(大学を出ていない支持者が著しく増えたという点を除けば)ほぼ変わっていない。
共和党の支持層は「一体化」が進み、民主党の支持層は「多様化」した。
こうなると、共和党は毎度おなじみの主張を繰り返すだけで支持者を動員できるが、民主党は異なる支持層に向けて異なるメッセージを用意しなければならない。
この違いが中間選挙の結果に大きく影響する。なぜか。
まず、アメリカ人は大統領選になると熱狂するが、それ以外の選挙では投票意欲が落ちる。その場合、単純なメッセージで支持者を動員できる共和党のほうが有利だ。
また民主党の支持者には若い世代が増え、共和党の支持者には中高年層が増えた。そして党派を問わず、若者は中間選挙をパスしがちだが、高齢者の投票率は高い。ここでも共和党が有利だ。
そして最後に、民主党内のイデオロギー対立がある。20年前に比べて、民主党では「リベラル」または「とてもリベラル」を自称する支持者が増えたが、共和党支持者は一貫して「保守」または「とても保守」だ。
そうなると、中間選挙での共和党は保守に徹することで民主党に勝てる。対して党内にイデオロギー対立を抱える民主党では、自分の支持する候補が予備選を勝ち抜けなかった場合、その人は本選で投票所に足を運ぶ意欲を失う可能性が高い。
共和党の支持者は、本選の候補者が気に入らなくても、党のため(保守主義のため)に投票する。
共和党のこの強みが最も明瞭に表れたのがバラク・オバマの時代だ。オバマは大統領としての2期8年を通じて、一貫して50%を超える支持率を維持していた。しかし在任中に失った連邦議会と州議会の議席、そして州知事ポストは、歴代大統領の中で最も多かった。
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