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安倍元首相の「国葬」は正しい判断──むしろ日本は首相の国葬を制度化すべきだ
大統領の国葬の最も感情を揺さぶられる要素の1つは、大統領は就任後すぐに自分の葬儀の構想を思い描き、その計画に参加しなければならないという点だ。ホワイトハウスの主になると同時に自分の死を想像するというのはつらい話だが、必要な作業でもある。
このような国葬は特定の人物よりも、制度自体に重点が置かれている。大統領はどんな人物であれ全員が国葬の対象になるという事実を認識することで、当事者は自分の職責の重さを思い知る。
安倍の国葬は正しい判断だが、岸田は首相の国葬を制度化するプロセスにも着手すべきだろう。日本は世界の意思決定に欠かせない大国だ。今こそ1人の人間としてではなく、日本の首相にふさわしい制度としての儀礼の在り方を整えるべきだ。
もっとも、日本は議院内閣制なので大統領制のアメリカとの単純比較が難しいのは理解している。一つの仮説だが、全ての首相が国葬の対象になるとしたら、頻繁な首相交代は少なくなるかもしれない。それだけ首相官邸の威厳と重きが増すからだ。

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