コラム

日米首脳会談:菅義偉が国際政治のスターになる日

2021年04月16日(金)19時25分

しかし、2人の初の首脳会談で最も注目を集めるテーマは、アメリカと中国という2つの超大国の地政学的対立だ。今回の首脳会談により、アメリカ国民の間で菅の知名度が大きく高まることはないだろう。一般的な知名度では、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、インドのモディ首相、カナダのトゥルドー首相などには遠く及ばない。

しかし、菅率いる日本はこれを機に、恐ろしい第3次大戦を回避するための要となる存在として地歩を固めていくことになりそうだ。国内で今日の世界において最も安定した自由民主主義国を率いる菅は、国際秩序の主導者および支柱として国際的な役割も強めたいと考えている。

菅が外交の舞台でセレブのように脚光を浴びたり、ドラマチックな行動を取ったりすることもないかもしれない。しかし、菅が適切な行動を取れば、のちの歴史家が菅政権の時代を極めて重要な転機だったと位置付けることになっても不思議ではない。

国際政治で菅が隠れた存在であり続ける日々は、間もなく終わる。私たちは、国際政治の新しいスターの誕生を目の当たりにしつつあるのかもしれない。

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6月22日号(6月15日発売)は「ルポ 武漢研究所のウソ」特集。新型コロナウイルスの発生源と疑われる中国の研究機関が繰り返した危険な実験。「素人集団」が矛盾を暴く。


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サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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2021年6月22日号(6/15発売)

新型コロナウイルスの発生源と疑われる中国の研究機関は危険な感染実験を繰り返していた

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