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強烈な被害者意識と自尊心 ゴーンが見せていた危うい兆候
ゴーンは意識的に、3社連合のリーダーシップをことごとく自分の手中に収めることに固執した。要職の多くを兼務しただけでなく、ナンバー2の台頭を嫌ったと言われる。
私は以前、初代アメリカ大統領のジョージ・ワシントンがいかに偉大なリーダーだったかを本誌のコラムに書いたことがある(トランプに見習わせたいジョージ・ワシントンの精神)。ワシントンは、大統領の座にとどまることが可能だったにもかかわらず、後進に道を譲った。独立戦争直後のアメリカに安定した大統領制が根付いたのは、その立派な行動のおかげだ。
人は権力を手にすると、得てして視野が狭くなる。しかし、偉大なリーダーは、莫大な権限を持っても視野が曇らない。リーダーの真価は退任後に何を残すかで決まるのだと、よく理解している。
カリスマ型リーダーが君臨する企業に投資するとき、注意を払うべき要素の1つは、そのリーダーがスポットライトを部下に譲り、次世代のリーダーを育てることにどれだけ熱心かという点だ。この要素の重要性は、しばしば過小評価されている。
もしリーダーが後継者の育成を嫌がるようなら、その企業への投資は裏目に出る危険がある。そしてある日、その経営者が逮捕されたというニュースが飛び込んでくるかもしれない。
<2018年12月4日号掲載>
※12月4日号は「インターネットを超えるブロックチェーン」特集。ビットコインを生んだブロックチェーン技術は、仮想通貨だけにとどまるものではない。大企業や各国政府も採用を始め、データ記録方法の大革命が始まっているが、一体どんな影響を世界にもたらすのか。革新的技術の「これまで」と「これから」に迫った。
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