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トランプの命運を握るのは、米議会選より州知事選
州知事選の結果は、20年の大統領選で誰が投票権を持つかにも影響を及ぼす。アメリカの選挙では、有権者登録を済ませた有権者しか投票できない。
ここでもジョージア州から目が離せない。共和党のブライアン・ケンプ候補はこれまで州務長官として、有権者登録の規則や手続きに関する権限を駆使し、民主党支持者が多い層の登録を阻んできた人物だ。12年以降に同州で登録を阻まれた人は200万人以上。民主党支持者が登録できない確率は、共和党支持者の7倍に達している。
州知事選の結果が重要な意味を持つ理由は、ほかにもある。誰が州知事になるかによって、20年に行われる次回の下院選の選挙区割りが大きく変わりかねないのだ。選挙区割りの決定には、州知事と州議会の意向が強く働く。
現在は半数以上の州で共和党が知事職を握り、共和党に有利な選挙区割りが採用されている。その結果、最近2回の下院選では、得票総数の少ない共和党が議席の過半数を獲得した。民主党の州知事が増えれば、それが変わるかもしれない。
いま日本メディアの関心は、上院および下院の新しい勢力図と、選挙後の大統領弾劾の可能性に集中しているかもしれないが、民主党が上院でトランプの罷免に持ち込むことは不可能に等しいだろう。トランプ政権の未来を見通したければ、州知事選に注目してほしい。
<本誌2018年11月6日号掲載>
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