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トランプの命運を握るのは、米議会選より州知事選
フロリダ州知事選で民主党のギラムが勝てばトランプには大きな痛手に Wilfredo Lee-REUTERS
<中間選挙で米議会の構成が変わっても弾劾罷免はあり得ない......2年後の大統領選に影響する州知事選のほうが重要だ>
11月6日の中間選挙を前に、メディアは議会選の情勢分析に忙しい。もし民主党が下院の過半数を獲得すれば、トランプ大統領が早々に弾劾訴追される可能性もある(最終的に大統領を罷免するには、さらに上院で3分の2以上の賛成が必要)。
しかし、トランプの政治的運命を予測したければ、議会選と同時に行われる州知事選に注目したほうがいい。今回は50州中36州で知事選が行われる。州知事選の結果から、いくつかの重要なことが見えてくる。
1つは、激戦州の行政トップの選挙戦でトランプ人気がどの程度有効かという点だ。トランプが2年後の大統領選で再選を果たすためには、フロリダ州とジョージア州での勝利が欠かせない。知事選の結果は、20年の大統領選でトランプの得票を占う材料になるだろう。
フロリダ州知事選では、同州初の黒人知事を目指す民主党のアンドリュー・ギラムが、トランプ支持を前面に押し出す共和党のロン・デサンティスをリードしている。伝統的に共和党が強いジョージア州では、民主党のステイシー・エイブラムスが優勢だ。エイブラムスが勝った場合は、アメリカで初の黒人女性知事が誕生する。
この2つの州で民主党候補が当選すれば、トランプにとってはかなり悪いニュースだ。
民主党は結束できるか
今回の州知事選は、20年に民主党が一致結束してホワイトハウス奪還を目指せるかを予測する手掛かりにもなる。
20年の大統領選では、ロシア疑惑捜査の展開次第という側面もあるが、現時点ではトランプが再選される可能性のほうが高いとみられている。民主党が一枚岩になれないという見方が強いこともその一因だ。
前回の大統領選では、この問題が民主党を苦しめた。予備選でクリントン元国務長官とサンダース上院議員が激しくぶつかり合い、クリントンが党の大統領候補に決まった後も亀裂が修復されなかった。サンダースの支持者は、本選挙でクリントンに投票しないケースもあった。
しかし、ミシガン州知事選の動向を見るかぎり、16年の二の舞いは避けられるかもしれない。今年8月の同州知事選の民主党予備選では、サンダース流の選挙戦を展開したムスリム系のアブドル・エルサイードが、クリントン流の主張を掲げるグレッチェン・ウィトマーを激しく攻撃した。しかし、ウィトマーの勝利が決まると、エルサイードは直ちに支持を表明した(公正のために情報を開示しておこう。エルサイードは私の友人の1人だ)。
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