コラム

米中間選挙後の民主党がトランプ弾劾を目指さない理由

2018年10月19日(金)11時15分

20年の大統領選にペンスが共和党の現職として出てくれば、民主党にとってトランプよりはるかに手ごわい相手になるかもしれない。ペンスは、今の政権で比較的目立たない存在でいる。トランプのスキャンダルや不評とはうまく距離を置きつつ、政権の成果を手柄としてアピールできるかもしれない。

以上の点を考えると、民主党は中間選挙で下院を制した後、弾劾ではなく議会の強力な調査・監督機能を駆使し、トランプのスキャンダルの数々を徹底的に調べ上げることを選択する可能性がある。次の大統領選まで2年かけて、疑わしい金融取引、脱税、利益相反、捜査妨害などについて動かぬ証拠を掘り起こす。

そして、20年11月の大統領選投票日に、それらの証拠を基にトランプの大統領としての資質を有権者に問う作戦だ(キャバノーへの調査と弾劾・罷免に動くのも有効かもしれない)。

もし20年前の再現になれば、2年後の大統領選では民主党がホワイトハウスを取り戻すことになるが......。

<本誌2018年10月23日号掲載>

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サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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