中国の景気はそれほど悪いのか?
今後は、急減速している不動産開発投資が下げ止まるかに注目しています。2013年に前年比19.8%増だった不動産開発投資は、2014年は同10.5%増、そして2015年1月~9月は前年同期比2.6%増にまで急減速しています。住宅販売金額と不動産開発投資との連動性は、住宅販売金額を7ヵ月~8ヵ月先行させた時に最大となります。住宅販売金額のボトムが1月~2月なので、そろそろ不動産開発投資が底打ちから回復に転じてもおかしくはないとみています。固定資産投資の1/5弱を占める不動産開発投資が動き出せば、これまで低稼働率に喘いできた鉄鋼、セメント、板ガラスなどの稼働率の上昇が期待できるようになります。これが絵に描いた餅に終わらなければ、中国経済のダウンサイド・リスクは大きく低下していくと期待しています。
この筆者のコラム
G20議長国・中国に問われる世界市場混乱の説明責任 2016.02.24
止まらない中国株安、底入れの近道は? 2016.01.27
鉄鋼のたたき売りに見る中国の危ない改革先延ばし体質 2016.01.22
中国経済、波乱の1年の終わりに 2015.12.28
緩やかな人民元安か暴落か、2つの可能性 2015.12.16
五中全会、成長優先で後回しになる国有企業改革 2015.11.06
SDR狙いで進む?中国の金融自由化 2015.10.29