- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 皆既日食で盛り上がるアメリカ
皆既日食で盛り上がるアメリカ
まず、テキサスの場合は、サンアントニオ、オースティン、ダラスという大都市がいずれもほぼ皆既帯に入っています。特にサンアントニオでは、直前に天文学者が再計算したところ、以前の予報とは違って、市の中心部はほぼ皆既帯に入るらしいという予報に変わり、該当するエリアの住民は喜んでいるそうです。また、オースティン市を含むトラヴィス郡では観光客が殺到することや、交通がマヒすることを予測して、1カ月前から非常事態宣言を出して対応しています。
一方で、ニューヨーク州の場合は、州の北西にあたるバッファロー市が皆既帯に入っています。そして、市の中心に近いナイアガラの滝でも皆既日食になるということで、こちらも空前の人出が予想されています。また、州内の刑務所では、日食に興奮した受刑者が騒動を起こすのをおそれた当局が、日食の時間帯は各房内で静粛にせよという命令を出したところ、受刑者が「日食を見る権利が侵された」として訴訟を起こしており、その結果が注目されていたりもします。
ところで、皆既日食が起きている時間帯では完全に太陽が隠れてしまうため、昼でも恒星や惑星が見られることになります。そこで期待されているのが、現在地球に接近中の「悪魔の彗星」こと「12P/ポン=ブルックス彗星」が皆既日食と同時に肉眼でも見られるという可能性です。
この彗星はガスなどを噴出している様子が「鬼の角」のように見えることから、「悪魔の彗星」と言われているのですが、その姿が皆既日食の時間帯に真っ黒な太陽と一緒に観測されるかもしれないということで、各地のメディアが取り上げています。
現時点の天気予報は、テキサスでは曇り、ニューヨーク州のバッファロー市からカナダ方面では曇り時々晴れとなっています。ただ、春のこの時期は天候が変わりやすい季節でもあり、日食当日に至るまで天気予報にも大きな関心が寄せられそうです。いずれにしても、今週から来週にかけてのアメリカは、この皆既日食の話題一色になりそうです。
【関連記事】
大谷翔平の今後の課題は「英語とカネ」
日本軍が3000万人を虐殺した!? 櫻井よしこ氏も激怒した本『日本のホロコースト』の作者に直撃した
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
環境活動家のロバート・ケネディJr.は本当にマックを食べたのか? 2024.11.20
アメリカのZ世代はなぜトランプ支持に流れたのか 2024.11.13
第二次トランプ政権はどこへ向かうのか? 2024.11.07
日本の安倍政権と同様に、トランプを支えるのは生活に余裕がある「保守浮動票」 2024.10.30
米大統領選、最終盤に揺れ動く有権者の心理の行方は? 2024.10.23
大谷翔平効果か......ワールドシリーズのチケットが異常高騰 2024.10.16
米社会の移民「ペット食い」デマ拡散と、分断のメカニズム 2024.10.09