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アメリカの警察の苦悩と、飯能市の事件の共通点
白人警官の暴力が起きてしまうケースの中には、例えば発達障害の黒人青年が、知らない人から見ると「不自然な行動」をしていたとして、緊急通報がされると白人警官が駆けつけて制圧しようとするわけです。そうした場合に黒人青年の体格が大きいと警官は恐怖を感じて銃器を使用してしまう、そんな事件が多いのです。
またDVがらみで大声を上げてのトラブルが発生し、通報を受けて駆けつけた白人警官が、やはり体格のいい黒人男性を「制圧できない恐怖」から銃撃してしまうというケースも多く報告されています。そこで、「予算カット」運動の主張としては、発達障害やDVなどのケースは、刑事犯ではないので警察は全くの素人である、従って警察が急行するのではなく、専門医やカウンセラーを派遣すべき、という考え方になるわけです。
アメリカの場合は、この問題と人種差別という政治的な問題、そして今回のコロナ禍による治安悪化といった問題が、「ゴチャ混ぜ」になってしまい、現時点では冷静な議論が進んでいません。
ただ、人種の問題を除外すれば、このアメリカにおける「警察官ではなく専門医やカウンセラーを」という議論は、そのまま日本の飯能市の事件にも当てはまるように思うのです。警察の無力を批判するだけでは、コミュニティーの安全も、問題を抱えた人への救済も全く進まないのではないでしょうか。
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