- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 米最高裁ギンズバーグ判事の後任人事をトランプが急ぐ…
米最高裁ギンズバーグ判事の後任人事をトランプが急ぐ理由
もう1つは、11月3日に同時に行われる上院の3分の1の改選の中で、アリゾナ州の上院議員選挙は「補欠選挙扱い」となっており、当選者が直ちに(11月末)就任見込みという点です。ここでは、民主党のマーク・ケリー候補(銃撃から奇跡的に生還したギフォーズ元議員の夫)が現時点で優勢とされています。仮にそうなれば、この時点で共和党の議席が1つ減り、現在2名いる造反者にもう1名が加わっただけで、判事任命の承認が否決されてしまいます。
と言うことで、トランプと共和党は、極めて強引な日程へと突き進もうとしているのです。あまりに性急な動きとなっていることから、当初考えられた「トランプと共和党本流の結束効果」だけでなく、中道から左派の世論に「ギンズバーグ判事のポストを強引に奪おうとすることへの怒り」が、相当のモメンタムになっているようです。
判事の訃報を受けて、トランプやマコネルが動き始めたのと同時に、民主党のハリス副大統領候補は「最高裁を保守に渡さないために、今こそ民主党がホワイトハウスと議会上院を奪還すべき」だとして、緊急の政治献金を呼び掛けたところ、1億ドル(約106億円)が即座に集まったという報道もあります。
個人の遺言を無視
一方で民主党としては、一連の事態に対する対抗策を持っていると言われています。仮に「ギンズバーグ判事の後任ポストを保守派に取られた」場合で、その直後にバイデンが大統領になり、なおかつ民主党が議会の上下両院の過半数を取った場合の対策です。
驚くべきアイディアですが、それは「法改正による連邦最高裁判事の増員」を行うという説で、すでに公然と議論が始まっています。つまり定員を11名としてバイデン新大統領がリベラル派の判事2名を新たに指名する、そうすれば最高裁は中間派1、保守5、リベラル5のバランスに戻るというわけです。
亡くなったギンズバーグ判事は、「自分の後任は選挙後に新しい大統領に決めて欲しい」と遺言したそうですが、トランプは「都合が良すぎる遺言で、捏造を疑われても仕方がない」として無視する構えです。そして、この後任判事のスピード指名という判断が、共和党の結束を高めるのか、反発ゆえに民主党の結束を高めるのかは、全く予想がつかなくなりました。
1つ言えるのは、この最高裁判事指名の問題が焦点となる中で、人種差別反対デモと治安に関する論争は選挙戦の前面から押し出された格好となっているという点です。まずは、9月29日の第1回テレビ討論で、この最高裁人事問題がどう扱われるのかに注目したいと思います。
<関連記事:2020年ドイツ人が最も恐れるのは......コロナではなくトランプ政治>
<関連記事:「トランプは大統領にふさわしくない」著名ジャーナリストのウッドワードが新著『怒り』で初めて書いたこと>
博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日本社会の側にある 2025.04.02
内紛続く米民主党、震源地はニューヨーク 2025.03.26
トランプが南米ギャング団幹部を国外追放、司法との対決に直面 2025.03.19
株価下落、政権幹部不和......いきなり吹き始めたトランプへの逆風 2025.03.12
施政方針演説で気を吐くトランプに、反転攻勢の契機がつかめない米民主党 2025.03.06
令和コメ騒動、日本の家庭で日本米が食べられなくなる? 2025.02.26
ニューヨーク市長をめぐる裏切りのドラマがリアルタイムで進行中 2025.02.19
-
東京都港区/外資系企業での一般事務・庶務業務
日本アスペクトコア株式会社
- 東京都
- 月給22万700円~
- 正社員
-
外資系企業のケータリングサービス/年休120日・土日祝休み・賞与あり
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~25万円
- 正社員
-
外資系企業オフィス運営の統括マネージャー/英語力活かせる/月38万円〜
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給38万円~50万円
- 正社員
-
品川本社/ベンダーファイナンス営業 大手外資系ICTベンダー/業界未経験歓迎・リモートワーク可
NECキャピタルソリューション株式会社
- 東京都
- 年収400万円~630万円
- 正社員