- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 東京五輪の中高生ボランティア、問題は「動員」よりも…
東京五輪の中高生ボランティア、問題は「動員」よりも「引率」

来年の東京五輪開催に向けて準備は着々と進んでいるが Michael Madrid-USA TODAY Sports/REUTERS
<五輪ボランティアを中学・高校から動員するのも良くないが、それを教員が引率するというのではまったくの子ども扱い>
2020年の東京五輪・パラリンピックの開催が迫ってきました。すでにボランティアの研修もスタートしています。その一方で、東京都は観戦客などへの観光案内などをするボランティアとして、都内の中高生を募集する計画を立てているようです。
具体的には、対象学年は中学2年生から高校3年生で、人数としては約6000人を募集する計画だそうです。これに対して、NHKの報道によれば「具体的な人数が学校ごとに割り振られ」ており、学校によっては「半ば強制的に参加を求められている」ということが判明したそうです。
NHKは専門家に取材し、「ボランティアで大切なのは自発性や主体性」であり、それが「保証されずに行うのは奉仕活動」であるとか、「上から強制という形でやるとか、創意工夫がない形でやらされると、やらされた受動的な経験となってしまう」といったコメントを引き出しています。
どういうことかというと、実際は中学校の場合、5人の生徒と引率する教員1人が割り振られ、学校によっては半ば強制的に参加を求められていたようで、NHKは「関係者への取材」で判明したとしています。
確かにそうなのかもしれません。学校によっては内部での選考においても、任意性は無視され「成績のいい生徒から順に選ぶ」とか、「推薦入試の対象になって受験勉強が忙しくない生徒に割り振る」というケースがあるかもしれません。
さらに言えば、「受験校の生徒ばかり選ばれるのは不公平」だとか「底辺校の生徒ばかりでは役に立つのか?」などという「雑音」への防衛本能として「1校あたり5人」という枠が作られたのかもしれません。
そう考えると、様々な「大人の事情」が重なって「一律に1校5人」という判断になっていくことはあり得そうです。まったく良いことではありませんし、中高生という多感な時期に「ボランティアとは任意による善意の表現」だという人間社会の根幹の価値を実地で教えられないのであれば、極めて残念です。
それはそうなのですが、私は「任意性を無視した動員」よりも「教員の引率」という点が引っかかりました。
迷惑系外国人インフルエンサー、その根底にある見過ごせない人種差別 2025.04.23
グーグルへの公取「排除命令」は、日本のデジタル赤字対策になるか? 2025.04.16
トランプ関税が抱える2つの謎......目的もターゲットも不明確 2025.04.09
博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日本社会の側にある 2025.04.02
内紛続く米民主党、震源地はニューヨーク 2025.03.26
トランプが南米ギャング団幹部を国外追放、司法との対決に直面 2025.03.19
株価下落、政権幹部不和......いきなり吹き始めたトランプへの逆風 2025.03.12
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
外資系アカウント向けのソリューション提案
ジョンソンコントロールズ株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員
-
「セキュリティスタッフ」東京駅・皇居周辺の一流外資系企業・5つ星ホテル・高級ブランドショップの安全を守る仕事
株式会社ビーテックインターナショナル
- 東京都
- 月給26万円~40万円
- 正社員
-
週3在宅勤務/人事労務担当・リーダー候補 外資系企業の給与計算・社会保険/フレックス/年休124日
永峰・三島コンサルティング
- 東京都
- 年収400万円~700万円
- 正社員