- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 新たに有権者となった若年層に「主権者教育」で何を伝…
新たに有権者となった若年層に「主権者教育」で何を伝えるべきか
参院選での18歳、19歳の投票率は極めて低かった Issei Kato-REUTERA
<18歳でフルの有権者としての権利が与えられるならば、その準備段階にあたる18歳未満には選挙運動ができないという現行法は不自然>
今回参院選での18歳、19歳投票率は、総務省の発表によれば31.33%だったそうです。投票率の低迷を受けて、主権者教育を強化すべきだとか、そうだとしても政治的中立を求められる中で教師は困惑を深めるだけといった議論があるようです。
ですが、上の世代や選挙制度の側が、「有権者なのに、有権者の自覚やスキルがない」などと若い世代を批判していたり、「もっと教えなくては」と怒ったり力んだりしても上手くはいかないでしょう。
問題は10代の主権者がキチンと主権者として認められていないということだと思います。
例えば、準備期間の問題があります。18歳で有権者としてのフルの権利が与えられるのであれば、16歳から17歳というのは、十分にその準備期間になるわけです。それにもかかわらず、18歳未満は選挙運動ができないため「SNSで特定の候補や政党への支持」を発信すると選挙違反になるという奇妙な法律になっています。
18歳になったら本物の選挙権を行使するわけで、そのためにSNSを通じた議論などを通じて、生きた「選択スキル」を練習しておくことは必要だし、選挙期間中はそれこそリアルな練習ができると思います。それにもかかわらず、やったら違法などというのは理不尽ですし、そもそも政治的自由という重要な自然権への侵害になると思います。
もちろん、若年であれば判断力が未熟で、デマ拡散などに利用される危険があるわけですが、高齢者の場合、現在の法制では相当に判断力が低下しても選挙権の行使ができるわけですし、ネット利用のリテラシーという意味では、若年層よりはるかに劣るわけですから、不公平です。そもそも、若者を社会が「一人前」として見ていないわけで、あらためるべきでしょう。
主権者教育として、最も重要なのは「自分の身近な問題、当事者である問題」において、主権者としての自覚を訓練するということです。例えば、教育の内容、教育予算の使われ方、就職や勤労に関わる制度などは、18歳としても十分に当事者となりうる問題です。
こうした問題について「若者に当事者意識を求めると、左翼になって組合活動や学生運動をしたりして困る」と考える高齢者も多く、そのために判断スキルの養成になるような教育訓練をためらう風潮があるのかもしれません。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員