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トランプ支持者は、なぜ「ロシア疑惑」を許すのか
しかも、今回7月16日にフィンランドのヘルシンキで行われた米ロ首脳会談では、こうした疑惑は払拭されるどころか、深まるばかりという結果に終わりました。
特に、トランプ大統領がプーチン大統領との共同記者会見の席上で、再三にわたって「ロシア疑惑」を捜査している米司法当局を批判したことは、驚きを持って受け止められています。一体「どこの国の大統領か?」というわけです。米政界では、民主党だけでなく、久々に共和党の穏健派も批判の合唱に加わっていました。
ところが、共和党の中でも「トランプ支持派」と言われる議員たち、特に今年の11月に中間選挙での改選を控えている議員たちからは、今回の米ロ首脳会談に対する批判はあまり聞こえてきません。つまり、トランプの「コアの支持者」は、このような対ロシア外交についても大統領を支持しているのです。
トランプの「コア支持層」といえば、「アメリカ・ファースト」というか、大統領が2017年1月の就任式に際して述べたように「アメリカ・ファースト・オンリー」という考え方の人々です。保守的で、愛国的であり、まさに「国家への忠誠心」を宗教のように大切にする人々です。そんなグループが、どうして「ロシアとの癒着疑惑」を許しているのでしょうか?
その理由は3つあると思います。
1つは、大統領の言い分を100%支持しているということです。ですから、CNNは「フェイク・ニュース」であり、FBIや特別検察官の捜査は「ディープ・ステート(アメリカの隠された本流としての権力グループ)」の陰謀だと思っているのです。
2つ目は、大統領が「個人の才覚」で「ディールしている」という、パフォーマンスを支持していることです。大統領が「ディール」で問題を解決していく限りにおいては、相手は「癖のある悪者」でも構わないわけで、そうした「クセのあるリーダー」と「対等に渡り合っているトランプ」は、NATOやG7などで同盟国に支援ばかりして、肝心の中国や北朝鮮、ロシアとの関係改善はできなかった過去の大統領より優れているというのです。
3つ目は、ではトランプのコアの支持者は、大統領を「王様のように尊敬して忠誠を誓っている」のかというと、そうではありません。また「自由と民主主義を信じていない」のかというと、これも違います。彼らは、あくまで主権者であり、その投票行動でトランプを支えたり、嫌いなヒラリーを負かしたりすることで、有権者としての自分が世界の中心であることを確認したいのです。
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