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「トランプ旋風」は多様化社会に抵抗する保守層の悪あがき
私は近所のシネコンで木曜深夜2時スタートの「IMAX3D特別公開」に行く機会がありましたが、開場数時間前から行列を作っていたファンで場内は熱気にあふれていました。「懐かしいキャラクター」が登場するたびに大きな拍手が湧いた一方で、結末近くに最も重要な人物が登場した瞬間には、一切拍手は起きずに静まり返るなど、シリーズへの愛着に満ちた人々との「エピソード7体験」となりました。
この「エピソード7」では、完結編3部作におけるドラマの中心を担っていく新世代の人物が登場するのですが、それを演じる俳優陣はデイジー・リドリー(イギリスの白人女性)、ジョン・ボイエガ(イギリスのナイジェリア系男性)、オスカー・アイザック(アメリカのグアテマラ系男性)、アダム・ドライバー(アメリカの白人男性)と多様性(ダイバーシティ)を体現した顔ぶれになっています。
特に中核となるリドリーとボイエガという、白人女性とアフリカ系男性という若手2人のコンビに関しては、シリーズのファンからも極めて好意的に受け入れられ、すでに現象になっているように思います。アメリカの世相として、そのことにはまったく違和感がないばかりか、むしろ自然に思える、それが2015年末の現在なのです。
多様性ということでは、同性婚について最高裁判決で全国での権利が確定したのが遠い昔のように、すでに社会では当たり前となり反対論はどこかへ消えてしまいましたし、IT業界では女性のCEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)が大勢活躍したり、男性の育休が拡大したりしています。FRB(連邦準備制度)のトップも女性のイエレン議長になって、その権威も今回の利上げの判断で確立しています。時代はどんどん先へと進んでいるのです。
海外の文化ということでは、「クールジャパン」と言われる日本文化も相変わらずアメリカでの人気は衰えていません。例えば、アマゾンの「書籍の年間ベストセラー」(12月23日現在)を見てみると、紙版の2位(1位は幼児向け絵本なので、成人向け書籍の事実上トップ)に日本の近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』が入っています。(キンドルでは18位)
ヒットの要因ですが、ニューヨークなど住環境の悪い環境で働きながら暮らす若い女性には「片づけ」を工夫したいというニーズがあったこともありますが、何よりも異文化としての日本的な「スピリット」が共感を呼んだことにあります。
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