プレスリリース

熊本市の教育ICT推進に向けた連携協定を更新

2025年04月01日(火)14時00分
熊本市、国立大学法人熊本大学(以下 熊本大学)、公立大学法人熊本県立大学(以下 熊本県立大学)、株式会社NTTドコモ(以下 ドコモ)、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、2018年10月22日付で締結した「熊本市の教育情報化の推進に関する連携協定」(以下 本協定)の協定内容を2025年4月1日に更新しました。更新した本協定は、2018年の締結から継続している取り組み内容を見直し、GIGAスクール構想※1や2030年ごろをめどに施行される次期学習指導要領を見据えた取り組みを追加したものです。
また、本協定の更新にあわせ、新しく協定内容に追加した「教育データの利活用」をテーマとした実証事業を2025年6月に開始します。

1.背景
熊本市、熊本大学、熊本県立大学、ドコモの4者は、熊本市における教育ICTの推進をめざし、2018年より本協定を締結し、「ICT活用モデルカリキュラム」の開発などに取り組んできました。
その中で、デジタル庁の掲げる「誰もが自分らしく学べる社会」の実現にむけ、教育データの利活用をさらに促進する必要がありました。そこで、NTT Comを協定に加え、「GIGAスクールパック」などの学習用コンテンツを活用し、教員・子どものデータ利活用を推進できるように内容を見直しました。

2.本協定の更新概要
本協定にもとづき、5者は協力して以下に取り組みます。
1.ICT活用モデルカリキュラムの改訂および教員研修の実施
学校の授業に用いられる本協定にて作成したICT活用モデルカリキュラムを、日々洗練し、随時、教員向けに研修を行います。これにより、教員のICT活用モデルカリキュラムへの理解度を合わせ、ICT活用の取り組みが組織的・体系的に行われることを狙います。


2.プログラミング教育の普及のための取り組み
熊本市全体のプログラミング教育の認知、理解を促進するため、児童生徒向けにプログラミングスクールなどを実施します。プログラミングの学習機会の場(熊本市立小中学校の児童生徒向けサマースクールなど)を提供することで、社会課題解決の手段として活用されていることを実際にイメージできるようにします。
3.教育データの利活用に関する取り組み
GIGAスクール構想によって熊本市が整備したタブレット端末から得られる教育データを、NTT Comの「AARポータル※2」を通じて、利活用する実証事業(以下 教育データの利活用に関する実証事業)を行います。これにより、教育データの利活用し、学びを支える環境をより効果的・効率的に整え、生徒個別の「個別最適な学び」・「協働的な学び※3」の実現をめざします。「教育データの利活用に関する実証事業」の詳細は、別紙1を参照ください。

3.各者の役割
各者の役割は以下の通りです。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/431484/img_431484_2.png


4.今後の展開
5者は、文部科学省のGIGAスクール構想によって熊本市が整備したタブレット端末の利用で得られるデータを活用し、「個別最適な学び」・「協働的な学び」の推進に向けて、全国に展開が可能なICT教育の有効的手法の策定をめざします。
また、「教育データの利活用に関する実証事業」の成果をもとに、子どもたち自身が教育データを活用し、学習の進度や理解度に応じた最適な学習方法で自己調整を行いながら学びを深めるモデルを確立し、熊本市内全域の小中学校へ展開をめざします。



※1:GIGAスクール構想とは、文部科学省が推進する児童生徒に1人1台の端末と高速な通信ネットワークを整備し、ICTを活用した教育を推進する施策です。
※2:「AARポータル」とは、子どもたち自身がデータを活用し、まなびポケットのビジョン「誰もが自分らしく学べる社会」の実現に向けて、自己調整学習を支援するポータルです。詳細は別紙1をご確認ください。
※3:「協働的な学び」とは、文部科学省が推進する学習形態の一つで、生徒同士が対話や協力を通じて学び合うことを重視する教育方法です。単なる知識の習得だけでなく、主体的に考え、他者と協力しながら課題を解決する力を育むことを目的としています。


【関連リンク】
・「(お知らせ)熊本市の教育ICT推進に向けた連携協定を締結」
https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2018/10/22_01.html

表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/431484/table_431484_1.jpg



「教育データの利活用に関する実証事業」の詳細

教育データの利活用に関する実証事業の詳細は以下の通りです。

1.概要
NTT ComがGIGAスクール構想向けに自治体へ提供している「GIGAスクールパック」に付帯している「AARポータル」を活用して実証事業を行います。「AARポータル」は、子どもたち自身が「見通しを持って(Anticipate)」、「学び(Action)」、「振り返る(Reflection)」という学習プロセスを繰り返し、自己調整を行いながら学びを深めるAARサイクル※4を実現するためのポータルです。すべての子どもたちの可能性を引き出すことをめざし、一人ひとりの理解度や学習履歴などの教育データを利活用し、個々の学びの進度に応じた最適な学習機会を提供します。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/431484/img_431484_1.jpg


2.期間/実証場所
2025年6月~2027年4月

3.場所
市内2小中学校

※4:AARサイクルとは、OECDの「Education 2030プロジェクト」が将来の教育のあり方について協議、検討した成果として公表した、「子どもが継続的に自らの思考を改善し、集団のウェルビーイングに向かって意図的に、また責任を持って行動するための反復的なプロセス」のことです。



詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

任天堂、「スイッチ2」を6月5日に発売 本体価格4

ビジネス

米ADP民間雇用、3月15.5万人増に加速 不確実

ワールド

脅迫で判事を警察保護下に、ルペン氏有罪裁判 大統領

ビジネス

貿易分断で世界成長抑制とインフレ高進の恐れ=シュナ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中