プレスリリース

クスベ産業、直根苗(ちょっこんなえ)を活用した森林再生事業を本格始動 ~自然の力を活かした新工法による防災・減災~

2025年03月12日(水)12時30分
「自然復元」をキーワードに、地域の間伐材や浄水発生土などを有効利用した木材利用工法・リサイクル建設資材を開発する株式会社クスベ産業(所在地:和歌山県有田郡有田川町吉原1360、代表取締役:楠部 勝巳、以下:当社)は、広葉樹の「直根苗」を活用した新たな工法で、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR*)を推進し、災害に強い森林づくりと環境保全の事業を開始しました。

地球温暖化や異常気象がもたらす災害リスクが高まる中、森林の放置による機能低下が深刻な課題となっています。直根苗を用いることで、荒れた斜面でも高い活着率を実現し、地中深く力強く根を伸ばすことで斜面を安定化させ、土砂災害の防止に大きく寄与します。また、成長とともに森林本来の機能であるCO2の吸収、水源循環の維持、生態系の保全が回復し、持続可能な環境づくりを後押しします。当社は、この工法を通じて地域の安全性向上と環境負荷の軽減を目指します。

* Eco-DRR(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction/エコ ディーアールアール)とは、自然を効果的に利用して、近年激甚化・頻発化する自然災害の防災や減災の役に立てようという考え方のこと。地域特有の生態系を生かしながら人々の生活も守れるように、多様な取り組みが国内外で実施されている。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/429140/LL_img_429140_1.jpg
直根苗
植物が重力方向へ根を伸ばす性質「重力屈性」を活かし、直根を長く成長させた「直根苗」

昨今、日本各地で問題となっている放置林は、適切な管理が行われていない人工林が原因で、土壌保全や水源涵養、生物多様性保全といった森林の多面的機能が低下しています。また、豪雨などの異常気象が頻発する現代では、土砂災害や洪水の原因ともなっています。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/429140/LL_img_429140_2.jpg
放置林
管理不足で根が浅く不安定な人工林

こうした課題に対し、当社では、深く強く根を張る広葉樹の直根苗を活用した工法を開発しました。この技術は以下のような特徴を持ち、災害に強い森林の形成と環境保全に貢献します。


【直根苗の特徴】
■深く強く根を張る :地中深く根を伸ばし、斜面や土壌を安定化させ、土砂災害のリスクを軽減します
■荒れた斜面への適応力:過酷な環境でも高い活着率で持続的に成長します
■自然植生との調和 :地域の広葉樹を活用し、生態系や景観に馴染みます
■長期的な効果 :経年で根がさらに発達し、防災効果が持続します
■環境負荷の軽減 :鉄やコンクリートを使用しないため、エコロジカルな工法を実現
■地域材の活用 :地元の森林資源を使用し、地域経済の活性化を促進します

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/429140/LL_img_429140_3.png
直根苗の特徴

【当社が独自開発した環境配慮型リサイクル土壌材「和歌山ソイル」】
和歌山ソイルを用いることで直根苗が活着しやすくなり、斜面の安定化や生態系保全に寄与します。和歌山ソイルは、水道事業から排出される浄水発生土や杉皮などの木質廃材をリサイクルし、当社が独自に開発した環境配慮型の土壌改良材です。この土壌は、山から川に流れ出た泥を主成分としており、ミネラルを豊富に含んでいます。そのため、地山の表土と同等の保水効果や保肥力を持ち、植物の成長を促進する特性があります。和歌山ソイルは特に法面緑化や植生基材として活用され、急傾斜地や岩場などの厳しい環境でも樹木を発芽・成長させる効果が実証されています。
直根苗との相性も良く、和歌山ソイルを使用することで苗の活着率が向上し、斜面の安定化や生態系の回復に大きく貢献します。また、地域で発生する廃材を再利用することで、廃棄物の削減や地域循環型の資源利用を実現しています。

この事業は、2022年6月より、和歌山県を中心に実証実験を開始し、森林再生の具体的な効果を検証しています。2023年11月に小規模事業者持続化補助金に採択、2024年9月には先駆的産業技術研究開発支援補助金に採択され、直根苗のさらなる植え付け実験や研究を進めています。
また、2025年の大阪・関西万博では、この取り組みを展示し、多くの来場者に直根苗を活用した森林再生の意義とその可能性を発信します。


<大阪・関西万博2025について>
●日程 :2025年5月2日(金)~5月3日(土)
出展者名:株式会社クスベ産業/株式会社関西ガード/株式会社榎本林業
場所 :EXPO メッセ「WASSE」
催事名 :「Wow!Wakayama!~未来へつなぐ、おどろきの国~」
(催事4月30日~5月3日のうち後半2日間のブース展示です)
主催 :和歌山県万博推進課

●日程 :2025年9月18日(木)
共創チャレンジ名:自然を支える土木プロジェクト~防災・減災をめざして~
場所 :フューチャーライフヴィレッジ
「TEAM EXPOパビリオン」


<代表取締役 楠部 勝巳 コメント>
当社は「自然復元」をキーワードに、地域の間伐材や浄水発生土などを有効利用し、木材利用工法やリサイクル建設資材の開発に取り組んでまいりました。
現在、地球温暖化や異常気象がもたらす災害リスクが増加しており、森林の保全と活用がますます重要になっています。広葉樹の直根苗は、その深く広がる根が斜面を安定させ、土砂災害の防止に寄与するとともに、山川の水を循環させることで自然の営みを健全に保ちます。この自然の力を活かしながら、地域資源の循環利用を通じて、環境と調和した防災・減災を推進してまいります。
「自然を支える土木プロジェクト」として、直根苗の育苗・植樹を含む新たな工法の提案を行い、地域の安全と国土保全、そして地域経済の活性化に貢献していきます。これからも私たちは、未来の環境を守るために歩み続けます。


【会社概要】
会社名 : 株式会社クスベ産業
代表者 : 代表取締役 楠部 勝巳
所在地 : 和歌山県有田郡有田川町吉原1360(事務所所在地 吉原429)
事業内容 : ・土木工事
・とび、土木工事
・建設資材販売
設立年月日: 平成4年12月21日
URL : https://www.kusube.co.jp/


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プレスリリース提供元:@Press
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