IEEEが提言を発表 より安価なグリーン電力で海水を飲用水に変える
世界の多くの地域で人口が増加し、水をどのように供給するかという困難な課題に直面しています。多くの国では、淡水化、つまり海水や塩分濃度の高い地下水から塩分を取り除くことで飲用水を得ています。一方、これは電気料金が高額になるため、多くの地域で最終手段とも見なされています。海水淡水化プラントの運転には膨大なエネルギーが必要であり、このようなプロジェクトは、特に他の手法と比べ、実現が難しいことがしばしばあります。
そんな中、再生可能エネルギーの費用が大幅に低下し、コスト計算に変化が生じています。
IEEEメンバーのラフェル・ミュニズ(Rafel Muniz)は次のように述べています。「淡水化技術は数々の重要な進歩を遂げており、世界的な水不足に対応し、衛生環境を改善できるものとして高い注目を集めています。全般的なエネルギー消費の削減に向け、よりエネルギー効率の高い淡水化工程の開発が順調に進んでいます。海水だけでなく様々な種類の不純な水を処理できるようになり、淡水化をより多用途に様々な地域で活用できるようになりそうです。」
■淡水化はエネルギー負荷が高い
水処理工場は通常、水の自然な流れを活用した場所に設置されます。適切な立地選択により、水を施設に汲み上げ、企業、家庭に送水するコストを抑制することができます。
海水淡水化プラントの場合、このようなメリットを活用できません。海水淡水化プラントはその性質上、通常、海抜0メートルにあり、ほぼすべてのものが海に流れていきます。海から水をポンプで取水し、施設から最終利用者にポンプで送水する必要があります。
プラントでは、海水に圧力を加え、水から塩分を取り除く逆浸透膜を通すために、常に電力が必要です。米国エネルギー省によると、エネルギーコストが海水淡水化プラントの運転にかかる予算の36%にのぼることも稀ではありません。
■再生可能エネルギーを活用した淡水化
再生可能エネルギーのコストが下がり、エンジニアはいかにこれを活用できるか模索しています。再生可能エネルギーは、一旦インフラストラクチャが整備されると、コストが下がります。しかし、再生可能エネルギー源はいつでも手に入るわけではなく、電力が必要な時に太陽が照らない、風が吹かないこともあります。需要の少ない時に余剰電力が得られることもあれば、すべての人のニーズを満たすのに十分な発電量が得られないこともあります。
■最新電力システムおよびクリーンエネルギーに関するIEEEの刊行物Journal of Modern Power Systems and Clean Energyに掲載された最近の調査では、電力を従来の発電所および再生可能エネルギー源に依存し、海水淡水化プラントから水を得ている地域を対象として、この問題を深堀りしています。今すぐ必要な電力を超える再生可能エネルギーがある場合、バッテリーに投資し、余剰電力を後で使用できるよう貯蔵するのがよいのか、あるいは、その余剰電力で淡水を生産し、大きなタンクに貯水するのがよいのか?
この調査結果では、理想的な解決策は状況によって異なることが明らかになっています。バッテリーもタンクもエネルギー使用を需要の多い時間帯から少ない時間帯にシフトすることでコストを下げることができます。通常、淡水用タンクのコストは大規模な一連のバッテリーを導入するより安価です。一方、バッテリーは、淡水の生産だけではなく、どのような目的にも電力を供給できるため、柔軟性の点でメリットがあります。
今も再生可能エネルギーが限定的な地域では、多くの場合、淡水用タンクを設置する方がコスト効率が高くなります。再生可能エネルギーの比率が高くなると、タンクとバッテリーを併用することでより効果的に需給バランスを維持することができます。
IEEEメンバーのスエリャ・フルーリー(Suelia Fleury)は次のように述べています。「このような技術を効果的に増強するためには、重要な変革を段階的に進め、開発者、業界、政府、民間の間で対話を醸成することが重要です。すべての関係者が環境と人間のウェルビーイングの調和を重視して協力した時にはじめて、本当に前進することができるでしょう。」
■IEEEについて
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上のエンジニアや技術専門会の会員を擁する非営利団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、諸活動を通じて世界中の工学やその他専門技術職のための信用性の高い「声」として役立っています。
IEEEは、電機・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版、2,000以上の現行標準を策定し、年間1,800を超える国際会議を開催しています。
詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。
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