プレスリリース

不動産競売、入札本数が減少し価格は下落傾向に ~エステートタイムズが2024年上期の首都圏不動産競売統計を発表~

2024年07月25日(木)10時30分
首都圏エリアの不動産競売情報を扱う株式会社エステートタイムズ(所在地:東京都豊島区、代表:阿南 順也)が、2024年上期の不動産競売統計(期間入札)を発表します。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/403877/LL_img_403877_1.jpg
不動産競売動向2024年上期

■概況
最近10年間の首都圏の競売物件は物件数の減少と価格の下落傾向がありましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の時期に入札本数の増加とともに価格が上昇、その後再び入札本数は減少し価格も下落に転じています。コロナ禍以降期間入札の物件数はまだ増加していませんが、物件数の減少傾向はやや収束し、申立件数はほぼ横ばいとなっています。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/403877/LL_img_403877_2.jpg
不動産競売統計10年間推移

■入札物件数は10年間で半数に、ただし強制競売事件は減少せず
首都圏で期間入札に付された競売物件数は減少しており、2024年上期の物件数は10年前の約半数に減少しました。途中の2020年は物件数が少なくなっていますが、これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による緊急事態宣言により競売での売却が行われなかった期間があるためです。物件数の減少の一因に、申立がなされて競売開始となった後に取下となる物件が増えていることがありますが、競売申立件数と概ね連動する配当要求終期等の公告物件数は、最近1~2年は大きな増減はありません。事件の種類では、住宅ローンなど主に担保権の実行である不動産競売事件は増えていませんが、強制競売事件はむしろわずかに増加しています。
東京23区の期間入札の物件では、5年前2019年上期は不動産競売事件と強制競売事件の件数の比率は10対1程度でしたが、今回2024年上期は5対1程度と、強制競売事件の比率が倍増しています。また、コロナ禍以降、競売物件ではシェアハウスやサブリース物件が目立つように、賃貸用物件の割合がやや増加しています。


■入札本数が大幅に減少、落札率が下落し不売となる物件も増える
今回首都圏の裁判所で全物件が落札となった本庁や支部はありませんでした。落札率が95%を上回ったのは東京地裁本庁(東京都区部および島嶼)、さいたま地裁本庁(さいたま市、川口市、上尾市ほか)、千葉地裁松戸支部(松戸市、柏市、流山市ほか)のみで、これまでならば入札があったと考えられる物件でも価格的に入札が見送られるなど、各裁判所で入札のない物件がやや増えています。
入札本数は顕著に減少しています。2022年には1都3県および茨城県南部では、落札となった物件の入札本数平均はほぼ10本を超えていましたが、今回は概ね首都圏全域で入札本数が減りました。その中で東京地裁本庁は減少幅が小さかったため、今回は東京地裁本庁が平均10.3本と、千葉地裁松戸支部の13.9本に次いで入札本数が多く、コロナ禍で入札本数が増えていた東京周辺部の横浜地裁相模原支部(相模原市、座間市)、さいたま地裁本庁、同越谷支部(越谷市、草加市、春日部市ほか)などで入札本数が大きく減少し、入札数の少なかったさいたま地裁川越支部と同熊谷支部(熊谷市、深谷市、行田市ほか)では5.4本でした。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/403877/LL_img_403877_3.jpg
不動産競売落札率・入札本数

■落札価格は大きく下がる
2020年以降、競売物件の落札価格は急激に上昇しましたが、2022年頃をピークに下落に転じ、今回も大部分の本庁と支部で価格が下がりコロナ前の水準に近づいています。売却基準価額に対して落札価格の高い千葉県でも3年ぶりに中央値が2倍を下回り、今回落札価格の低かった東京地裁立川支部(多摩地区)、さいたま地裁本庁、同川越支部(所沢市、川越市、狭山市ほか)では売却基準価額との乖離率の中央値が1.2倍台にまで下がっています。下落幅の小さかった東京地裁本庁は2022年の1.55倍が1.42倍、横浜地裁川崎支部(川崎市)は1.56倍が1.37倍へ、下落幅の大きかった川越支部では2022年の1.61倍が1.20倍に、さいたま本庁では1.78倍が1.29倍へと落札価格は下がりました。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/403877/LL_img_403877_4.jpg
不動産競売落札価格

*対象は首都圏各裁判所、東京都(東京地方裁判所本庁・立川支部)、神奈川県(横浜地方裁判所本庁・川崎支部・小田原支部・横須賀支部・相模原支部)、埼玉県(さいたま地方裁判所本庁・川越支部・熊谷支部・越谷支部)、千葉県(千葉地方裁判所本庁・松戸支部)、栃木県(宇都宮地方裁判所本庁・足利支部・大田原支部)、茨城県(水戸地方裁判所本庁・土浦支部・龍ヶ崎支部・下妻支部)、群馬県(前橋地方裁判所本庁・高崎支部・太田支部・桐生支部・沼田支部)、山梨県(甲府地方裁判所本庁)、期間入札の物件は農地競売を除く
*落札率は期間入札の公告に付された物件中、取下等で開札の対象外となった物件を除いた落札物件の割合
*落札価格は、売却基準価額に対する乖離率の中央値
*過去の統計などはウェブサイト https://keibai.jp に掲載しています


【会社概要】
会社名 : 株式会社エステートタイムズ
所在地 : 東京都豊島区上池袋1-34-10 秋山ビル1階・2階・3階・4階
代表 : 阿南 順也
事業内容: 首都圏エリアの不動産競売情報を扱う出版社
URL : https://estatetimes.jp


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