Picture Power

【写真特集】透明な存在にされたアフガニスタン女性たち

NO WOMAN’S LAND

Photographs by Kiana Hayeri

2024年10月10日(木)18時54分


首都カブールの集合住宅の裏庭で今年2月、降り積もる雪の中遊ぶ少女たち。タリバン政権下では、男性の保護者なしに少女たちが外出したり公園に行ったりする権利は奪われた。雪嵐は少女たちにとって一緒に遊べる数少ない貴重な時間だが、タリバンの監視がいないか常に周囲への警戒は怠らない

首都カブールの集合住宅の裏庭で今年2月、降り積もる雪の中遊ぶ少女たち。タリバン政権下では、男性の保護者なしに少女たちが外出したり公園に行ったりする権利は奪われた。雪嵐は少女たちにとって一緒に遊べる数少ない貴重な時間だが、タリバンの監視がいないか常に周囲への警戒は怠らない

東部ナンガルハル州の野外学校で授業を受ける生徒たち。男子は高校まで進学できるが、女子は6年生まで(州によっては3年生まで)しか教育を受けられない。民家やモスク(イスラム礼拝所)などで女子の地下学校の取り組みも行われているが摘発のリスクは高い

東部ナンガルハル州の野外学校で授業を受ける生徒たち。男子は高校まで進学できるが、女子は6年生まで(州によっては3年生まで)しか教育を受けられない。民家やモスク(イスラム礼拝所)などで女子の地下学校の取り組みも行われているが摘発のリスクは高い

北東部バダフシャン州ファイザバードの街角で破られたポスター。女性がどうやって顔を覆えばいいかが示されている。顔全体を覆うブルカ(アフガニスタンではチャドリと呼ばれる)のほか、目だけは覆わないニカブの着用も許されている

北東部バダフシャン州ファイザバードの街角で破られたポスター。女性がどうやって顔を覆えばいいかが示されている。顔全体を覆うブルカ(アフガニスタンではチャドリと呼ばれる)のほか、目だけは覆わないニカブの着用も許されている

友人の誕生日を祝うカブールの10代の少女たち。音楽やダンスはタリバン政権によって禁止されているが、少女たちは家の中や閉ざされた空間で、ダンスや誕生日会を続けている

友人の誕生日を祝うカブールの10代の少女たち。音楽やダンスはタリバン政権によって禁止されているが、少女たちは家の中や閉ざされた空間で、ダンスや誕生日会を続けている

カブール西部でアメリカのカリキュラムを英語で行う教育施設。10代の女子教育を当局が黙認しているまれなケースであり、約700人の生徒が厳重に警備された施設で学んでいる。施設の出入りは1人ずつで、持ち物は入り口に預けておかなくてはならない

カブール西部でアメリカのカリキュラムを英語で行う教育施設。10代の女子教育を当局が黙認しているまれなケースであり、約700人の生徒が厳重に警備された施設で学んでいる。施設の出入りは1人ずつで、持ち物は入り口に預けておかなくてはならない

カブールで困窮する母子。息子の1人は皮膚病とてんかんに苦しんでいるが、医療費が払えず治療を受けさせられない。夫はけがで働けず、息子たちも拘束の恐れがあり働きに出せない。近所の人にもらったボロ布や服を燃やして暖を取る

カブールで困窮する母子。息子の1人は皮膚病とてんかんに苦しんでいるが、医療費が払えず治療を受けさせられない。夫はけがで働けず、息子たちも拘束の恐れがあり働きに出せない。近所の人にもらったボロ布や服を燃やして暖を取る


北東部バダフシャン州の池で子供を遊ばせる女性。彼女の高校2年生だった娘といとこは、1年前に学校をやめさせられ2人とも自殺した。「ワハン回廊」と呼ばれるこの地は、21年以前はタリバンの支配下ではなかった

北東部バダフシャン州の池で子供を遊ばせる女性。彼女の高校2年生だった娘といとこは、1年前に学校をやめさせられ2人とも自殺した。「ワハン回廊」と呼ばれるこの地は、21年以前はタリバンの支配下ではなかった

中部ワルダク州の自宅前でポーズを取る50歳のサイラ。壁に貼ってあるのは、息子たちがパキスタンのマドラサ(イスラム神学校)で入手したポスター。ワルダク州は内戦の影響が大きかったが、サイラは「内戦が終わった今は平和で静かだ」と語る

中部ワルダク州の自宅前でポーズを取る50歳のサイラ。壁に貼ってあるのは、息子たちがパキスタンのマドラサ(イスラム神学校)で入手したポスター。ワルダク州は内戦の影響が大きかったが、サイラは「内戦が終わった今は平和で静かだ」と語る


女性問題を中心に扱うメディアで働く女性ジャーナリストたち。タリバン政権下でメディアの43%が消滅し、ジャーナリストの3分の2が仕事を辞めた。特にタリバン政権復活後の2年の間に女性ジャーナリストの8割が仕事を離れた

女性問題を中心に扱うメディアで働く女性ジャーナリストたち。タリバン政権下でメディアの43%が消滅し、ジャーナリストの3分の2が仕事を辞めた。特にタリバン政権復活後の2年の間に女性ジャーナリストの8割が仕事を離れた

友人の誕生日会でダンスをするカブールの10代の少女たち。タリバン政権は今年8月、女性に屋外で顔を覆わせる一方で、公の場で大声を上げたり歌ったりすることを禁止する新たな法律を発効させた

友人の誕生日会でダンスをするカブールの10代の少女たち。タリバン政権は今年8月、女性に屋外で顔を覆わせる一方で、公の場で大声を上げたり歌ったりすることを禁止する新たな法律を発効させた

 【連載20周年】 Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」
    2024年10月15日号 掲載

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ関税巡る市場の懸念後退 猶予期間設定で発動

ビジネス

米経済に「スタグフレーション」リスク=セントルイス

ビジネス

金、今年10度目の最高値更新 貿易戦争への懸念で安

ビジネス

アトランタ連銀総裁、年内0.5%利下げ予想 広範な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプ政権の外圧で「欧州経済は回復」、日本経済…
  • 10
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story