コラム

全米トップの11兆円チェーンを育てた男の成功術とは?(パックン)

2023年12月08日(金)18時40分

もっと立派の夢なら、たとえば死亡広告に「大金をチャリティーに遺した」とか、「芸術や演芸のスポンサーとして知られる」などが載っていれば素敵だよね。そこから逆算すると、沢山のお金を稼ぐ必要に気づくはず。(死亡広告に関係なく、普通にお金は稼ぎたいし)。

そこで、さらに逆算して、その目標を遂げるための手段を見つければいいのだ。シャイチさんなら「沢山のお金を稼ぐために沢山のパンを焼く!」とか。

ちなみに、奇跡的な偶然だが、その決意をスラングまじりの英文に直すと

Make a lot of bread to make a lot of bread!

になる。「Make bread(パンを作る)」には、「生計を立てる(お金を稼ぐ)」という意味もある。なんか、運命を感じない?

次は、さらに逆算を重ねて、現段階から沢山のパンが焼けるようになるまでのステップを考える。

チャリティーに大金を寄付(目標) ← 沢山お金を稼ぐ ← 沢山のパンを焼く   ← 沢山のパン屋さんを抱える ← ← ← ← パンを食べる(今)

途中だいぶ飛ばしたけど、やり方はわかるよね?

「脱線」もまた一興?

もっと一般的なケースなら、例えば死亡広告に「一流企業の社長」と載せたいなら

一流社長(目標) ← 部長になる ← 課長になる ← ← 一流企業に入社 ← 一流大学を卒業 ← ← 猛勉強する(今)

がスタンダードなパターンだろう。もちろん「『オールナイト・ニッポン』を聞きながら赤シートで英単語を暗記する」など、もっと細かい段階まで計画してもいいが、何より大事なのはしっかり「逆算」すること。最終目標地まで確実にたどり着く道筋をきちんと描くためだ。

そうしないと

(今)猛勉強する → 一流大学を卒業 → 日本でお笑い芸人になる → ???

といった、とんでもない脱線事故が起きてしまうかもしれないからね。

とにかく、今からでも遅くないから、自分の死亡広告を書いてみよう。そしてその通りの人生ができるように頑張ってみようと、僕は思っている。もし、それができたら、僕のお葬式でそれを読み上げてくれるかな? 普通ならマックンに頼むけど、彼は先に逝っているんだろうね。

20241126issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 7
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story