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欧米のウクライナ援助の裏にある不都合な真実(パックン)
もちろん、人間は身近に脅威・危険を感じると反応が変わる。近所に火事が起きたら、自分もバケツリレーにも参加するだろう。だが、お金持ちの街が燃えるときにだけ消防車と救急車が出動するのはおかしい。
被害者の顔が似ているからではなく、主権国家の国境が破られ、街が破壊され、民間人が大勢殺されているからこそ動くべきだ。国際法や規範、普遍的な道徳や価値観に対する侵害が起きているからこそ力強く立ち上がらないといけないのだ。全力でその「侵害」を止めようとする反応が自分たちに似ている人々のときだけに限定されるととても危険だ。
日本も他山の石としたい
日本の近所でも将来、似たような侵害が起こり得る。(国名・地域名を言わなくても、このコラムの読者ならその場所が100%わかるはず。)その被害国は欧米と文明が違う。主な欧米人と当事者の顔も違う。乗っている車も違う! それでも、欧米の国々は国際法と人道を守るためにどれほど頑張ってくれるのか? 自国民の生活を犠牲にしてまで経済制裁で団結を見せるのか? 大勢の難民を受け入れてくれるのか? 戦後の復興に貢献するのか? ウクライナ危機に対する対応には感心するが、それがバイアスに基づいている可能性があるから、こんな疑問が根強く残る。
全世界のどこで侵害が起きても今と同じ熱量で対応することを決意しようじゃないか。
キング牧師の名言を意訳すると「1カ所で起きた不正義でも、全世界にとっての不正義だ」ということ。これは公民権運動における発言だったが、国際関係においても、この教訓を今のうちに再確認しておきたい。
追伸:日本も、遠い国でも身近に感じて全力の対応を見せないとね。
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