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日本のコロナ対策は独特だけど、僕は希望を持ちたい(パックン)
程度や形式はさまざまだが、武漢のモデルをまねした都市が多く、世界で3人に1人がロックダウン中という試算もある。例えば、イギリスでは罰金付きの厳しい外出制限を警察が強要する。国民は買い物や通院、そして1日に1回、1種類だけの屋外での運動が許される。はい、「1種類だけ」。トライアスロンの練習だと3日ないとできないってこと。
荒くてハード。打撃が大きいけど、ロックダウンは有効的。イギリスの例に戻ると、最初はウイルスの脅威を軽視していたが、やはり感染は止められなかった。経済活動を止め、コロナとの闘いに専念したら回復路線を歩み始めた。これ、ボリス・ジョンソン首相個人の話だが、国自体も同じ流れを見せている。
徹頭徹尾「自粛の要請」だけ
さて、世界の成功例と比較して日本は? 大量検査はしない。街で検温しない。アプリを作らない。アラートを送らない。かといってロックダウンもしない。日本のアプローチは、ハードでもソフトでもない。木綿でも絹でもない。「高野」かな?
無理やり豆腐に例える必要はないけど、日本は独自のやり方をここでも見せている。水際対策が失敗した後、まず執ったのはクラスター(患者集団)対策。密閉・密集・密接という「3つの密」の環境を避けるよう国民に呼び掛け、2月末にイベントの自粛、3月上旬に休校が始まった。お笑いライブも一気に自粛対象となり、友達の芸人は「闇営業もない!」と嘆いていた。「食べることを自粛するしかない」と話す仲間も。
4月に入ると、自粛の網をどんどん広げ遊興施設の営業休止を求めた。ボウリング場、ライブハウス、バー、ナイトクラブ、キャバレー、性風俗、射的場などなど(初めて気付いたけど、この並びだと「射的場」も微妙にいやらしそう)。このウイルスは人の喜びを栄養源にするのかと思うぐらい、娯楽が生活から消された。
政府によると目標は「80%の接触削減」。しかし、最初は出勤を控えることは強く求めていなかった。どうも計算が合わない。例えば職場で30人と触れ合う人が夜遊びをやめただけで5分の1に接触を減らせるというなら、普段は毎晩120人と飲んでいたことになる。「サラリーマンみのもんた」という設定かな。
政府もさすがにこの矛盾に気付き、出勤率を下げるよう企業へ呼び掛けた。しかし、これは徹頭徹尾、「自粛の要請」にすぎないもの。強制するつもりは一切ない。それを証明するためにか、安倍晋三首相が自粛要請を発表したその日に、首相補佐官が体を張って数百人の立食政治資金パーティーを開いた。
権力なのか、指導力なのか
これが最も日本独特な点。他国の外出制限・禁止と違って、外出自粛要請。つまり「お願い」だ。ロックダウンは通常罰則が付く。逮捕や拘留のほか、玄関のドアを溶接して家に閉じ込める(中国)、スクワットさせる(インド)、雀卓を壊す(また中国)、催涙ガスを使う(ケニア)、棒でたたく(またインド)などの手段で警官が街中をパトロールし強要する。日本ではDJポリスでさえ街に現れないし、たたかれているのは首相のみ。「うちで踊ろう」を家で聴いて踊らなかっただけで。
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