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パックンが米朝首脳会談の合意内容を大胆予想!
もう一つの欠陥として、米朝の合意には拉致問題の解決策は盛り込まれない可能性が高い。「誠意をもって解決に努める」のような文章は入るかもしれないが、本格的な交渉は日朝間で直接行う以外ないだろう。
いろいろな意味で不完全な合意になるはずだ。でも、それだけで拒否することは間違いだと思う。そもそも北朝鮮に対する武力行使の選択肢はない。そもそも中国は経済制裁に前向きではない。そもそも金体制の打倒をなすすべはない。こんな条件で、理想が現実になることはないだろう。
そこで「核を持ち、国際社会から追放されたならず者敵国」として北朝鮮を突っぱねておくか、「核を持たないで、国際社会に復帰し規範を守ると決めた通常国」として付き合うかという2択であれば、後者を選ぶのではないか。
妥協しないと交渉は成立しないが、妥協した瞬間、合意が完璧じゃなくなる。「核を一括放棄したことを完全に検証できる」という「完璧な」プランを目指すのはいいが、それができないときに履行可能な「良い」オプションを捨ててしまうことは実にもったいない。それこそ The perfect is the enemy of the good の悪例になってしまう。
ちょっと待って! 完璧じゃないからとイラン核合意から離脱したトランプは、北朝鮮と妥協するはずがない!
そんな見方をする人もいるが、僕はそう思わない。狂気めいた強硬姿勢を見せたあと、超融和モードにすぐ切り替わったトランプ大統領は段階的な、検証不可能な内容でもハンコを押すだろう。正直、上述ほど「良い」条件じゃなくても、すぐに合意を成立させ、勝利宣言をして、今後の選挙活動に利用すると思う。そういう意味で、「良い」を失うほど妥協しすぎないように気を付けるのも大事。トランプは完璧主義者ではなく、トランプ主義者だから。
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