日本から喫煙できる飲食店がなくなる――かもしれない?
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<今国会に提出される見込みの受動喫煙防止対策強化法案。もし成立したら、日本の飲食店を取り巻く環境は大きく変わりそうだ>
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受動喫煙防止対策のさらなる強化を、厚生労働省が推し進めている。昨年10月には、厚労省のワーキンググループが「受動喫煙防止対策の強化について」とするたたき台を作成。法案は今通常国会に提出される見込みだ。
たたき台に示された基本的な方向性は、イギリスの建物内全面禁煙をベースに、喫煙室の設置を認める韓国の制度を融合した「イギリスと韓国の混合型」制度を検討するというもの。また、勧告・命令を受けてなお違反した施設管理者や利用者(喫煙者)には、詳細は検討中ながら罰則が適用されることも明記されている。
この方向性のまま法案が成立すれば、日本のすべての飲食店が「全面禁煙」か「喫煙室内でのみ喫煙可」のどちらかになる。もしそうなれば――賛成・反対どちらの立場にせよ――日本人にとっても、日本を訪れる外国人にとっても影響は大きいだろう。
厚労省はたたき台作成と同時に、今回の対策強化案に対する公開ヒアリングを10月、11月の2回にわたり実施した。各業界団体をはじめ、消費者団体や労働組合、商工会議所など計21団体が意見を述べたが、なかでも注目されたのが飲食店からの「このままでは潰れる!」という声だった。
各種飲食店が加盟する日本フードサービス協会の代表者は、「居酒屋では喫煙できないと約20%の売上減となるデータもあり、原則建物内禁煙となると客離れによる売上不振が予想される。結果、従業員の給与削減や、中小の店舗では最悪、閉店を余儀なくされるかもしれない」と発言。「喫煙室の設置は、物理的に困難な場合や賃貸契約で不可能な場合もある」などと、一律の規制強化に難色を示した。
年が明けてからも、危機感を訴える声はやんでいない。1月12日、飲食業界5団体が東京都内で緊急集会を開き、厚労省の対策強化案に対して「中小零細の飲食店は規制への対応が難しい」と主張。日本経済新聞によれば、100人以上の業界関係者が集まったという。
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