コロナ禍の日本、支持される商品には「理由」がある
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<かつてないダメージを受けている日本経済だが、そんな中でも注目され、健闘している商品がある。「環境」「安価」「在宅」といったキーワードを軸にその理由を探った>
政府が約1.7兆円を計上した「Go To キャンペーン」事業など、各種の経済支援策が打ち出されている。
その一方、新型コロナウイルスに関連する倒産が全国で527件に到達する(帝国データバンク発表、9月15日現在)など、日本経済はかつてないほどのダメージを受けていると言っていいだろう。
しかし、そんな経済状況にあってなお、注目され、健闘している商品がある。それらの商品を見てみると、このコロナ禍ならではの「キーワード」が浮かび上がってくるのだ。
1つめのキーワードが「環境」だ。政府によるSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた啓蒙活動によりその認知が進むと同時に、この7月からはプレスチック製レジ袋の有料化が義務付けられるなど、一般にも環境保護意識が高まりつつある。そんななか「日本初」となる水が発売された。
日本初というのは、銘柄や成分の話ではない。水を販売するための容器、パッケージのことだ(持ち運びサイズにおいて)。現在、スーパーやコンビニ、自動販売機で販売される水の容器は、その多くがペットボトルだ。しかし、8月下旬より販売を開始した「ハバリーズ ジャパン ナチュラルウォーター」(330ml)のパッケージには紙パックが採用され、話題を呼んでいる。
製造・販売を手掛けるハバリーズ(京都市)がパッケージに紙を採用した理由も、環境保護への強い想いにほかならない。なかでもペットボトルをはじめプラスチックごみによる海洋汚染が、海の生態系に甚大な悪影響を及ぼしているのは、ニュースなどで広く知られているとおりだ。
再生可能資源である紙の中でも、世界の森林保全に貢献するため、国際的な森林管理協議会であるFSCの認証を取得した包材を使用。しかも、SDGsへの取り組みのひとつとして、売上1本につき1円が世界自然保護基金に寄付されるという。
自然の恵みである水を飲むことで、環境汚染防止に寄与し、自然保護に貢献することもできる。そんな水のエシカル消費が可能な「ハバリーズ ジャパン ナチュラルウォーター」は、公式サイトによる購入が可能であり、今後はナチュラルローソンなどの小売店でも販売が予定されている。
手に入れやすい価格は何より優先される要素
続いてのキーワードは「安価」。ボーナスの減額などコロナ禍で収入が減った消費者も少なくないなか、手に入れやすい価格は何より優先される要素であることは間違いない。しかもそれが生活必需品ではなく、嗜好品であればなおさらだろう。
この10月よりたばこ税の増税に伴い、全ての銘柄が値上げとなったたばこ業界において、いま注目が高まっている商品がある。いわゆる「リトルシガー」だ。一見すると通常の紙巻たばこだが、リトルシガーで使用される巻紙は、たばこ葉を原料として作られたもの。この巻紙でたばこ葉を巻いており、たばこ税法上は「葉巻たばこ」に分類される。
人気の理由は、キーワードのとおり、その安さだ。増税後の各メーカーの紙巻たばこの価格は、ほとんどの銘柄が500円以上となる。一方のリトルシガー、例えば、紙巻たばこの人気銘柄でもあるキャメルブランドの「キャメル・シガー」(JT)は400円。人気が出るのも当然と言えよう。