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日本のプロレスが海外で人気爆発! 新日本プロレス・メイ社長に逆輸出の秘訣を聞いた

2018年12月17日(月)11時35分
井上 拓

――プロレスという日本のコンテンツをより良く届けるために大切にしていることは何でしょうか。

プロレスには、ドラマがあります。そのドラマを提供していくためには、私はポイントが3つあると考えています。1つが音、2つめが光、そして3つめが映像(動画)です。

音というのは、単純に入場曲とかBGMとか音楽という意味も一部ありますが、解説ということなんです。私は解説をとても大切にしているんです。

解説にもいろいろなスタイルがあると思いますが、新日本プロレスでやりたいのは、感情的な解説。例えば、ラリアットという技が入ったとき、「ラリアットが入りました」という、ニュースを読み上げるような説明ではなくて......。

「なんだ今のは? こんなの見たことないラリアットだ!」とか心の底から技を表現してくれることが大事。それがファンの方々や見る人の心に響くんです。プロレスを知らない人が見ても、これはすごい技に違いないと感じてくれるはずなのです。

日本のアニメが海外でヒットしている理由に、日本人の声優さんの感情表現がものすごい、というものがあります。海外では吹き替え版はやめて、字幕のままでいい、と言われるほどです。

過去のことを知らない人が試合を見ても、知識や情報は解説で補ってくれますよね。途中から見たとしてもある程度内容が分かる。だから解説ってとても大事なんです。

次に、光。照明や演出で、やはり光というのはそれだけで雰囲気が変わりますから。気分、感情に訴えかけるものがそれだけであるんです。

最後に、映像。これは煽りビデオなどです。僕はよく社内でもこう喩えて話しています。プロレスの試合を2時間の映画だと思ってください、と。

いわゆる試合そのものは、最後の決闘シーンだと思います。それだけ見ても面白い。でも最後の決闘シーンに到るまでの背景だとか、登場人物の紹介とか、変化があったり、テンションが上がったり下がったり、アクシデントを乗り越えるための準備があったり、すごいドラマがある。

試合が終わった後にも、選手がコメントする。今日は頑張ったけど負けたとか、そして新しい因縁が生まれたり......。

これをYouTubeなどでのドキュメントだったり、インタビューだったり、背景を知っていただく、そのためのテンションを作るというのも重要な仕事です。

映像班を強化して、いま拡大しているところです。最近(ヒールユニットである)「BULLET CLUB」の歴史を映像化したんですが、過去最高の再生回数を記録しました。やはり知らない人もいるし、こうした情報を知りたいんですよね。世界中のファンがプロレスに感情移入ができて、さらに楽しめるんだと思うんです。

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©新日本プロレス

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