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シリーズ日本再発見

五輪で日本の喫煙環境はどう変わるのか?

2016年12月19日(月)15時20分
高野智宏

 最も厳しい「敷地内禁煙」を課された四病院団体協議会は、「認定病院は敷地内全面禁煙を義務付けている」と医療機関ならではの現状を説明した。しかし、対策強化案に対しては意外にも「若干の違和感を感じる」と表現。というのも、受診者が隠れて喫煙しボヤを起こしたことや、来院者が敷地外でたばこを吸い近所から苦情が来たなどのトラブルが過去にあったのだという。「敷地内は禁煙が"望ましい"としてはどうか。現実を踏まえ弾力的に考えてほしい」

 とはいえ、対策強化案に賛成する団体もある。全日本シティホテル連盟は、「現在は禁煙室の割合が増えており、パブリックスペースは禁煙というホテルも多く分煙化が進んでいる」と発言。「新たな受動喫煙防止対策が施行されれば、対応していく」と賛意を述べた。

 11月の公開ヒアリングの後、各団体から反対意見や柔軟な対応を求める声が相次いだことについて質問された塩崎恭久厚労相は、「スモークフリーの社会をつくるということをしっかりと実現していかなければいけないというふうに思いますので、ご理解をいただくようさらに努力していきたい」と回答している。ヒアリングは実施したものの、規制強化は既定路線だと印象付ける発言だ。

 果たして、日本の喫煙環境はどう変わっていくのか。外国人の意見を聞いても、事業者の意見を聞いても、一筋縄ではいかない問題であることは確か。2020年の五輪開催に向け、より徹底した議論が必要かもしれない。


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