欧米のアジア系ヘイトを外交に利用する中国──「人権」をめぐる宣伝戦
とはいえ、中国の宣伝戦のターゲットは主に途上国のエスタブリッシュメント、言い換えると中高年以上の高額所得者だ。アジアでも香港やタイの情勢をみれば、中国との取引によって一定の生活水準を得た者ほど中国の論理に理解を示しやすく、それが「国の方針」になりやすい。
だとすると、バイデン政権にとっては中国包囲網の形成を目指すうえで途上国の若者へのアプローチが大きな課題になるとみられる。バイデンは選挙期間中から途上国の取り込みに意欲を見せてきたが、「人権」に関する説得力を増すためには従来以上にアメリカの影の改善に着手せざるを得ず、とりわけ国内のヘイトが焦点になるだろう。
その意味で、バイデン政権がアジア系ヘイトの取り締まりを強化できるかは、白人極右だけでなく中国を押さえることにもつながるのである。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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