右翼はなぜ頑なにマスクを拒絶するのか、その思想性
万能感が強く、「他人が知らないことを自分は知っている」と思いたがる傾向が強ければ、都合のいい情報を寄せ集め、「コロナなどたいした問題ではない」と過小評価したがったり、マスク着用を当たり前と捉える専門家や世の中の大半の人を嘲笑したがったり、果ては「ビル・ゲイツがワクチン開発に多額の資金を出しているのは世界中の人間にマイクロチップを埋め込むため」といった陰謀論を展開してコロナ対策を貶めようとしたりすることは、不思議ではない。
力への信仰
もちろん、マスクやロックダウンを拒絶する人の全てが、ここでいう右翼に当たるとは限らない。マスクを拒否しながらも外国人や社会的少数者に寛容な人もあるかもしれない(ちょっと想像しにくいが)。
とはいえ、コロナ対策の強化に反対する論理と思想が、本人の意識とは関係なく、右翼のそれと親和性があることも疑えない。そこには、他人を見下したがる、いわば力への信仰があるといえる。
コロナ禍は長距離通勤や押印主義といった社会習慣を改めて浮き彫りにしたが、個人の内面に関しても同じことがいえるのである。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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