コラム

日銀のマイナス金利修正は近づきつつある

2024年01月24日(水)16時30分

日本経済の正常化への道

それでは、日本経済の正常化とはどのような状況か。2%インフレが続くとの予想がしっかり定着すれば、いずれ政策金利(短期金利)がプラスに上昇するだろう。プラスのインフレのもとで政策金利が上昇する中で、1%以上の実質成長率が続き、そして労働市場では失業率は2%近傍まで低下する。ここまで実現すれば、日本経済の正常化と言えるだろう。

仮に、4月までにマイナス金利が修正されるとしても、それは「経済正常化」の一つの通過点と位置付けられる。日本経済の正常化の達成には、まだ距離があることを冷静に認識したい。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)


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プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書が2025年1月9日発売。

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