北海道警の安倍ヤジ排除問題を追う『ヤジと民主主義』が見せたメディアの矜持

ILLUSTRATION BY NATSUCO MOON FOR NEWSWEEK JAPAN
<2019年7月15日、札幌で演説する安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした男性が拘束された事件のその後を追った12月9日公開のドキュメンタリーがめちゃくちゃ面白い。>
お供を引き連れて全裸の王様が歩いてきます。沿道を埋め尽くす群衆は、「なんて素敵なお召し物かしら」などと口々に言い合いながら王様を見つめます。バカには見えない衣装を着ていると事前に伝えられていたので、衣装が見えないとは言えません。
でも周囲の人たちとうなずき合っているうちに、本当に見えるような気がしてきました。そのとき子供が叫びました。「王様は裸で歩いているよ!」
周囲の大人たちは慌ててたしなめようとします。でも子供はもう一度叫びます。「何にも着てないよ!」
しばらく沈黙してから、1人の大人が「やっぱり裸なのね」とつぶやきます。続いてもう1人、「恥ずかしくないのか」。声は少しずつ増えてゆきます。
......ここまではアンデルセンが翻案した「裸の王様」のラストシーン。もしも今の日本に舞台を移し替えたら、どんなラストになるだろう。
「王様は裸で歩いているよ!」
子供がそう叫んだ瞬間、周囲にいた警官やSPたちが子供を包囲して手や口を押さえ、無理やりに沿道から引き離しました。群衆たちも気にしません。王様は何事もなかったかのように裸で行進を続けます。
2019年7月15日、札幌で安倍晋三首相(当時)が演説を始めたとき、「安倍やめろ!」とヤジを飛ばした男性と増税反対を訴えた女性を警察官が拘束し、さらに現場から強引に引き離した。
その瞬間を映した短いニュースは僕も観た。その後、本作『ヤジと民主主義』の監督でHBC(北海道放送)報道部の山﨑裕侍から映画化を考えていると聞いたとき、短いテレビドキュメントならともかく映画は無理じゃないかな、と思ったことを覚えている。
観終えて脱帽。いや帽子を脱ぐくらいじゃ足りない。1時間40分はあっという間。とても秀逸で、問題提起は深い。そして何よりも、めちゃくちゃ面白い。
-
「東京」外資系企業/受付・事務/未経験OK・英語活かせる・月26万〜
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給26万円~32万円
- 正社員
-
「東京」外資系投資銀行のチーム秘書/土日祝休/年収350万円〜/コミュ力活かせる
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給25万円~30万円
- 正社員
-
「年350万〜476万」年休120日/土日祝休み/外資系金融企業の本社受付
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給25万円~34万円
- 正社員
-
「東京駅」外資企業/受付/語学活かせる/月30万〜・土日祝休
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給30万円~36万円
- 正社員