EVと太陽電池に「過剰生産能力」はあるのか?
中国のEV市場を見るとテスラや蔚来(NIO)のような高級車から上汽通用五菱(SGMW)のように街乗りに特化した低価格品まで千差万別であり、メーカー数も50社ぐらい存在する。市場に対するアプローチはメーカーによって多様であり、比亜迪(BYD)のように幅広い製品ラインアップを揃えて生産能力を一気に拡大してシェアを取りに行くメーカーもあれば、高級車を限られた数だけ作って高く売って儲けようとするメーカーもある。
こうしたEV産業において、一部のメーカーを指して生産能力過剰の元凶だと批判することは、競争力のあるメーカーを抑えつけてしまうリスクがある。イエレン財務長官が4月に行ったことはまさにこれである。イエレンは中国のEVや太陽電池の生産能力が過剰だと非難した。中国のEV産業と太陽電池産業が全体として生産能力過剰であることは本稿冒頭に述べた通りであるが、果たして中国だけが過剰なのだろうか?
■「過剰」なのは誰か?
イエレンが中国から戻って2週間後、テスラが14万人の従業員の10%以上を削減する計画があることが明らかになった。つまり、テスラも生産能力が過剰なのである。また、EVはガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車と競合する。中国やヨーロッパではEVがガソリンエンジン車の市場を食っている。日本では欧米や中国に比べてEVの普及が遅れており、2023年の新車販売台数478万台のうちEVは全体の3%にあたる14万台にとどまったが、もし「2050年に排出実質ゼロ」という国際公約を本気で達成するつもりならば、2050年より5年ぐらい前にはガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車の新車販売はゼロになるはずである。ということは、EV工場よりもむしろ旧来の自動車工場およびその部品工場が生産能力過剰になる。
実際、日産は中国での自動車生産能力を最大で3割削減することを明らかにした(『日本経済新聞』2024年3月13日)。ホンダも2割削減するという。つまり、中国でのEVシフトについて行けない日本メーカーが過剰生産能力を抱えているのだ。中国市場で劣勢に陥った日本の自動車メーカーは、まだ優位にある北米や東南アジアに注力するというが、そうは問屋が卸すまい。
例えばタイの自動車市場では、日本車が長らく9割のシェアを維持していたが、2023年は78%にシェアを落とした。BYDや長城汽車(GWM)などの中国勢が台頭し、シェアを11%に伸ばしたからだ。タイでは日本よりもEVシフトが急ピッチで進んでおり、2023年の乗用車の新車販売のうち18%がEVで、その8割が中国ブランド車だった(『経済参考報』2024年3月22日)。
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