中国当局がひた隠すスラム街の存在
もう一つ、いささか呆れたのは、河北省から長距離バスで北京市に行った時の経験だ。乗車前に警察官が乗客の身分証をチェックしたが、それはバスジャックみたいな事件もあるのでしょうがないかなと思う。驚いたのはバスが北京市のバスターミナルに到着して下車し、ターミナルの外へ出るときに荷物チェックがあったことだ。まるで「入り鉄砲に出女」を取り締まった江戸のようである。
北京市が自分たちに都合のいい人間と都合のいいモノ以外入ってくるのを拒むというのは一国の首都としてどうなのかと思う。中国は、国としては対外開放をいっそう推し進めるのだと言っており、私もその言葉を信じたいと思う。だが、その足元の北京市が国内に対してむしろ閉鎖の度合を高めていることについて、中国の心ある人たちがもっと意識を高めてほしいものである。
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