コラム

いま中国の企業家や投資家が知りたい3つのこと

2016年11月22日(火)15時43分

写真提供:筆者(すべて)

<中国での知名度が高まり、番組出演や講演、ビジネスの依頼がひっきりなしに寄せられて多忙を極めている。来日当初は歌舞伎町で客引きをしていた男が、である。せっかくなので今回は「李小牧人気の秘密」をお伝えしよう。そこから皆さんも中国に食い込むヒントを得られるかもしれない> (上写真:海南島の「EO」中国大会で講演をする筆者)

 こんにちは。新宿案内人の李小牧です。私がプロデュースする新宿歌舞伎町の湖南菜館には、「会いたい! 記念写真を撮りたい!」というファンの人が毎日のようにやって来てくれる。ありがたい話なのだが、最近では店を空けていることが多く、申し訳なく思っている。

 店にいられないのはともかく忙しいためだ。4月21日付のコラム「選挙に落ちたら、貿易会社の社長になれた話」で紹介したとおり、昨年、新宿区議選に出馬したことをきっかけに、中国で私の知名度は一気に高まった。

 テレビやネット番組の出演が増え、それを見た投資家や企業家から「ぜひ一緒にビジネスを!」と話が持ち込まれるようになり、噂を聞いた大学や団体から講演の依頼が相次ぐ......といった具合で、雪だるま式に仕事が増えているわけだ。まだお話しできない大きなプロジェクトもいくつか進行している。皆さんに紹介できる日が楽しみだ。

 そんなこんなで毎月中国に出張し、いくつもの都市を飛び回る生活を続けている。日本にいても中国の著名人や企業家との面談がひっきりなしだ。先日など北京で大人気ネット番組「圓卓派」を収録した後、帰国し、羽田から新宿のかに道楽に直行(日本にしかない魅力が詰まっているかに道楽は外国人に大人気だ。この時も店内は外国人観光客で満員。なかなか予約が取れない人気店となっている)。40人もの上海企業家訪日団との交流会に参加した。いやはや、さすがに疲れた。

「なのでなかなかコラムを書けなくてね......」とニューズウィーク編集者のMくんに言い訳をしていたところ、こんな質問を受けた。

「なぜ李さんはそんなにまで中国で人気なんでしょう? 元・中国人だから? 中国で人気者になる秘訣などあるんでしょうか?」

 いい質問だ。そういうわけで今回のコラムは「李小牧人気の秘密」についてお伝えしたい。私の人気には、クラシックバレエで鍛えた肉体や夜の街に立ち続けたことで生まれた色気という要素も大きいと思うのだが(笑)、ここでは他の人も模倣できるような一般的な話にしておこう。

若手起業家の世界的ネットワーク「EO」でプレゼン

 11月11日、私は「中国のハワイ」と呼ばれる海南省の三亜市にいた。若手起業家の世界的ネットワーク「EO」(Entrepreneurs' Organization、起業家機構)の中国大会に、プレゼンテーターとして招かれたためだ。聴衆は8割が中国の起業家たち。残る2割が世界各地から集まってきた起業家だ。講演は英語やフランス語に同時通訳された。

 結果、私の講演は大成功。多くの質問が寄せられて予定時間をオーバーしたほどだった。もっとも、特段凝った内容を話したわけではない。身ひとつで日本に乗り込み、ビジネスを成功させたという人生だけが私の財産だ。講演といっても過去の体験を話すことしかできない。もちろん一般の人には想像もつかないような刺激的な人生ではあるが。

lee161122-2.jpg

プロフィール

李小牧(り・こまき)

新宿案内人
1960年、中国湖南省長沙市生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社員などを経て、88年に私費留学生として来日。東京モード学園に通うかたわら新宿・歌舞伎町に魅せられ、「歌舞伎町案内人」として活動を始める。2002年、その体験をつづった『歌舞伎町案内人』(角川書店)がベストセラーとなり、以後、日中両国で著作活動を行う。2007年、故郷の味・湖南料理を提供するレストラン《湖南菜館》を歌舞伎町にオープン。2014年6月に日本への帰化を申請し、翌2015年2月、日本国籍を取得。同年4月の新宿区議会議員選挙に初出馬し、落選した。『歌舞伎町案内人365日』(朝日新聞出版)、『歌舞伎町案内人の恋』(河出書房新社)、『微博の衝撃』(共著、CCCメディアハウス)など著書多数。政界挑戦の経緯は、『元・中国人、日本で政治家をめざす』(CCCメディアハウス)にまとめた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送-米ワーナー、パラマウントの買収案を拒否 ネト

ビジネス

独IFO業況指数、12月は予想外に低下 来年前半も

ビジネス

EU、炭素国境調整措置を強化へ 草案を正式発表

ワールド

インドネシア中銀、3会合連続金利据え置き ルピア支
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story