コラム

SNSで悪意ある「陰謀論」を拡散...選挙イヤーの今年、サイバー工作員たちが撒き散らす「偽情報」とは

2024年01月19日(金)11時47分

企業の資産がサイバー空間で悪用されるケースは多い

これを一般企業に当てはめてみると、企業ブランドが悪用されることになる。ブランドが攻撃にさらされたり、危険な類似ドメインが出現したり、SNSのなりすましの例もある。そうしたサイバー工作は民間企業にとっても脅威となっている。

筆者が日本や世界で展開しているサイファーマ社が提供している外部脅威情勢管理(ETLM)プラットフォームでは、そうした企業や組織のブランドを守るためのインテリジェンス(情報)もソリューションとしてカバーしている。

そうしたサイバーキャンペーンなどの動向も把握しているわけだが、そうした世界の動きを見ていると、企業や組織の資産がサイバー空間で悪用されるケースは少なくない。そうなるとビジネスに深刻な影響を与えかねない。

今回の台湾のように、きちんとこうした脅威に対策しなければ、攻撃者の思う壺になってしまうことを忘れてはいけない。それは、選挙だけでなく、民間企業にも当てはまるのである。

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プロフィール

クマル・リテシュ

Kumar Ritesh イギリスのMI6(秘密情報部)で、サイバーインテリジェンスと対テロ部門の責任者として、サイバー戦の最前線で勤務。IBM研究所やコンサル会社PwCを経て、世界最大の鉱業会社BHPのサイバーセキュリティ最高責任者(CISO)を歴任。現在は、シンガポールに拠点を置くサイバーセキュリティ会社CYFIRMA(サイファーマ)の創設者兼CEOで、日本(東京都千代田区)、APAC(アジア太平洋)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アメリカでビジネスを展開している。公共部門と民間部門の両方で深いサイバーセキュリティの専門知識をもち、日本のサイバーセキュリティ環境の強化を目標のひとつに掲げている。
twitter.com/riteshcyber

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