- HOME
- コラム
- CYBER × INTEL
- SNSで悪意ある「陰謀論」を拡散...選挙イヤーの…
SNSで悪意ある「陰謀論」を拡散...選挙イヤーの今年、サイバー工作員たちが撒き散らす「偽情報」とは
このキャンペーンは、アメリカがエイズウイルスの発生に責任があるというイメージを、計画的に世界で拡散させるために実施された。この工作は、まず1983年にインドの新聞に、架空の「アメリカ人科学者」から手紙が掲載されたことで始まった。実はこのインドの新聞は、その数年前にKGBが、インドで親ソ連のプロパガンダを広めるために作ったものであった。
偽の"尊敬されている"「アメリカ人科学者」によって投稿された体で掲載されたこの手紙は「インドにエイズが侵入する可能性」と題され、エイズウイルスは米メリーランド州にある米国化学生物戦研究施設で作られたものだと告発した。この記事を元記事として、KGBはあちこちでこのストーリーを引用して拡散させた。
今も「エイズはCIAがばら撒いた生物兵器」と信じる人が
この作戦については、後にソ連の内部文書で暴露された。ソ連が作成した文書にはこう書かれている。「この作戦の目的は、このウイルスが秘密裏に行われた新型生物兵器の実験の末に生まれて制御不能に陥ったものであり、アメリカの秘密情報機関と国防総省がそれに関与しているというストーリーを拡散して、海外でわれわれに有利な意見を形成することだ」
この「陰謀論」は、作戦開始から30年経った今でも、アフリカなどのグローバルサウスだけでなく、欧米諸国の一部にもしつこく残っている。事実、最近の研究調査によると、アフリカ系アメリカ人の約12%が、今もエイズはアメリカの生物兵器であり、CIA(米中央情報局)によって、アメリカなど欧米諸国やアフリカで意図的に拡散されたものだと信じている。
今、こうしたキャンペーンの舞台は、サイバー空間に広がっている。以前よりも低コストで大量に、ターゲットに直接、メッセージを届けることができ、効果的に工作が可能だ。しかもデジタル化と、AI(人工知能)の進化によって、ディスインフォメーションもこれまでになかったほど巧妙になっている。AIによって本物と見間違うような偽動画を作って拡散させ、反中国の候補を貶めたり、中国寄りの意見を広めるための工作が繰り広げられた。
今回の台湾におけるディスインフォメーションのキャンペーンに触れるまでもなく、現在、世界では、悪意あるアクターが、同様のキャンペーンを何十件も毎日のようも生み出すことができる。この分野を得意としているのは、先駆者的なロシアや中国、イランなどだ。しかもこうした工作のノウハウを第三世界に輸出もしている。今年選挙を控える、アメリカやインド、ポーランド、インドネシアなどではすでに工作が始まっていると考えていいだろう。
「ソ連崩壊後のロシア」と同じパターン...東南アジアで「サイバー犯罪大国」化が進む理由 2025.02.19
中国政府系グループによる「史上最大の富の移転」...トランプ次期政権の対抗策は? 2024.12.24
ファイブ・アイズ情報長官が警告する「中国ハッカーの脅威」に並ぶ、イラン組織の危険度とは? 2024.09.09
-
経理マネージャー 外資専門商社「自動車、エレクトロニクス、アパレル等」
外資専門商社
- 東京都
- 年収900万円~1,200万円
- 正社員
-
「セールス」外資ならではの働きやすさ/ホテル業界向けの業務管理システム提供/リモート可/2018年日本支社設立/32カ国・地域に7 000名以上のグローバルカンパニー
Shiji Japan株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,100万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員