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「妊娠するためのサポート」が企業に求められる時代
EmiliaU-iStock.
<不妊の検査・治療経験のある夫婦も、第1子出産後に働き続ける女性も、ともに上昇傾向にある。そこまでやる必要があるのかという声も聞こえてきそうだが、今こそ企業が「妊娠するためのサポート」をするべきだ。では、具体的にどんなアクションを起こすべきなのだろうか>
不安なく、自然に子どもを授かることは、とても難しい
9月15日に国立社会保障・人口問題研究所によって、2015年実施の「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」の結果概要が公表された。
それによると、今回調査では夫婦の完結出生児数(夫婦が最終的に出生する子どもの数)は、1.94人であり、前回調査(2010年実施)に引き続き、2人を下回った。また、不妊を心配したことがある(または現在心配している)夫婦の割合は35.0%と前回 (31.1%)よりも増加し、子どものいない夫婦ではこの割合は55.2%(前回52.2%)に上る。実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は、全体で18.2%(前回16.4%)、子どものいない夫婦で28.2%(前回28.6%)となっている。
「結婚持続期間に関わらず、不妊の検査や治療経験のある夫婦の割合が上昇傾向にある」とされている。夫婦の完結出生児数の低下には様々な要因が絡むが、子どもを授かることの困難さを感じずにはいられない結果であることに違いはない。
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様々な苦労と、「どうケアしたらいいか分からない」という戸惑い
同調査では、「出産退職する妻は減少しており、妊娠前に就業していた妻に限定して就業継続率をみると、第1子出産前後では、就業継続率は4割前後で推移してきたものの、2010~14年では53.1%へと上昇した」とされている。今後益々、働きながら妊娠・出産する女性が増えることが想定され、企業は女性(夫婦)の「妊娠・出産」のケアにもっと目を向けなければならない。
働く女性のまわりでは、何のトラブルもなく妊娠・出産を迎えられている女性の方が少ないのではないかと感じる程、多くの女性が妊娠・出産の過程で苦労をしている。妊娠前と同じようなハードな働き方をして流産したり妊娠中に絶対安静が必要な状況となる女性。共働き故の別居や出張等により妊娠する機会を得るのが難しい夫婦。生理や排卵等でトラブルを抱える女性。妊娠するために治療や通院を必要とする夫婦。苦労の具体的な内容は様々だが、この類の話は日常茶飯事だ。
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職場の上司や同僚に相談できる環境にある人はまだ恵まれている。プライベートなことであるが故に相談できずに抱え込んでいる女性も多い。また、男性マネジメント職からは、「部下の女性から『妊娠するために通院することになり、体外受精も視野に入れている』と相談されたが、何をどうケアしたらよいのか分からない」といった戸惑いも見受けられる。「妊娠・出産」というプライベートな事象を取り巻く環境が変化する中、女性自身も男性も企業もどう向き合ったらよいのか分からず、手探り状態にある。
この筆者のコラム
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